日本2-2セネガル戦を見直してみた。

 ロシアWCは終わったけど、自分的には日本代表がブラジルWCに比べ、何が良かったのか、良く分からない所がある。 そこで、もう一度、日本代表の戦いを見直してみた。
ライブで見てる時は、どうしても応援モードで見ているので、印象的になりやすいからね。
まず、日本2-2セネガル戦。


出場メンバー。
セネガルは、4-3-3。 後半から4-2-3-1になった。

 特徴的だったのは、ビルドアップの時、長谷部が最終ラインに下がって、組み立てに参加していたこと。
吉田・長谷部・昌子と並んで、その代わり両SBを上に押し上げていた。
長谷部が加わる分、セネガルのプレスもあまり前から来なかった。
長谷部からパスが出る分、パスの精度が上がっていた。
長谷部から柴崎・乾・香川へとパスが出ていた。
原口へのパスが少なかったのは、パスを貰う有効な動きが少なかったからかなあ?
ピッチ中央を長谷部分少なくして、サイドの前目に人を多く配置していたことになる。
ボールを奪われても、サイドで奪われることが多く、それがカウンターを喰らいにくい要因になっていたと思う。
長谷部がいつも最終ラインに下がっていた訳でもないので、それがシステム的に変化を与えていたことになる。
このバリエーションがブラジルWCの時との違いの一つだろう。 ブラジルWCではシステムは固定されていたからねえ。
西野監督も試合後のインタビューで、本田・岡崎の投入について、何らかのポジション変化を与えないと、点を取れないと思っていたと述べていて、試合中ポジションに変化を与えることはとても重要。

 セネガルVSポーランド戦を見ていて、セネガルのプレスは厳しいと感じていた。
しかし、日本戦ではそこまで感じなかった。
日本選手がサイドに追い込まれても、後ろ向きになっても、簡単にボールを取られなかったのだ。
単純に日本の個のレベルが上がったのだと思う。
乾が取られるのが、何回かあった。 やはりフィジカル的に苦しい所がある。
それでも、俊敏性で交わしていたプレーも多かったし、1対1で対面した時はボールを取られることはあまりなかった。 それと乾はボールを貰う動きがいいね。 宇佐美にはない所。

 香川もプレーの質が変わった。
今までの香川は、やたらとドリブルしたり、自分で点を取ろうという動きが多かった。
しかし、今回は、パスの受け手と出し手になることにより専念していたと思う。
自分は今まで、日本代表の4-2-3-1なら、トップ下はパスの出し手を使うべきだと書いてきた。
点を取るのは、両ウィングとFW。 そこにいいボールを如何に出すかが、ポイント。
だから、清武や柴崎が適任だと。
香川の売りはゴール前の狭いスペースに入り込んで、そこでボールを受けて、点を取ることだった。
しかし、今回はそのプレーを封印して、パス出しに徹していた。 それが良かった。
チームプレーが出来るようになったということかな。 パスを貰う動きで、その俊敏性という自分の売りを発揮出来ていたと思う。 目立つことは減ったけど。

 攻撃で感じたのは、横パスが減って、縦パスが増えたこと。
昔は、特に最終ラインで右から左、左から右へと渡るパスがやたらと多かった。
今回は、下がった長谷部・吉田・昌子と3人ともチャンスがあれば、縦パスを入れていた。この3人は短めの縦パス。 精度がないからね。
柴崎は、ミドルやロングの縦パスを入れて、スピードアップしていた。
ハリルホジッチの遺産だね。 ハリルは何が何でも縦へと言っていたので、選手はプレッシャーを感じて精度を欠いて攻撃を組み立てられなかったが、西野監督は出来れば縦へ、無理なら横へと多分言っていたと思うので、選手は無理やりの縦パスをしなくて済んだのが良かったのかな。
長谷部が縦への意識は当たり前と言っていたが、日本選手は口では言ってもそれが実行できていなかった。だからハリルの無理やりも意識改革として必要だったと思う。 しかし、WCではそれを緩めることも必要だった。 西野監督は緩めたが、ハリルがそれをするつもりだったのか、出来たのかは、?マーク。永遠の謎となった。
DFラインは短めの縦パス、柴崎はミドルやロングの縦パスと、それぞれの能力に合わせて役割分担したのも良かったな。
柴崎はまだあまり知られていなかったから、マークされなかったけど、マークされたら、日本が攻撃を組み立てられたかは、?マークだ。 今後、アジアでの戦いなら、そうなるだろう。

 この試合は2回もリードされたけど、めげずに追いついた。
相手の押せ押せを食い止め、追加点を取られるリスクをそれなりに抑えながら落ち着いて攻めて、追いついた。
過去のWCでは見られなかった精神的な落ち着きがあった。
これが、過去のWCとは異なる最大の進歩かもしれない。

 自分にとっての最大の謎は、このメンバーでよく守れたなということだ。
守備が弱いのは、乾・香川・柴崎だ。 ただ、柴崎はウクライナ戦から良くなったので、実質、乾・香川の二人になった。 そして、残りのメンバーはブラジルWCの時より守備は確実にレベルアップしている。
特に酒井宏樹は、強固になった。
守備の弱いのが二人なら、他のレベルアップしたメンバーで十分カバー出来たということかな。
ただ、やはり乾・香川がいたため、前でボールを奪うプレーは少なかったと思う。
中盤から後ろで奪ったところから攻撃が始まることが多かった。 しかし、それでも点を取れた。
そこも進歩。
これで、点が取れるなら、日本はボール保持のスタイルでもやっていける。
これが、日本にとって、希望の持てる一番の収穫だった。

 次はポーランド戦・べルギー戦とやって行きたいと思う。
もうJリーグが始まって、時期外れなんだが。

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