森保ジャパン、危ない流れからも実力の逆転勝ち。 日本4-2ベトナム

 アジアカップ、グループリーグ初戦、日本代表はベトナムと対戦した。


日本の出場メンバー。

 ターンオーバー体制を敷いてくるかと思いきや、コンディション不良者と細谷以外はベストメンバーを選んできた。 遠藤航ではなく佐野海舟を先発させておけば、自分的にはまずまずだと思ったんだが。
しかし、思いがけなくベトナムに苦戦したことを思うと、遠藤航の方が正解だったか。 これだと、1,2戦はベストメンバーで戦いグループリーグ突破を決め、インドネシア戦でターンオーバーという一般的なやり方をしそうだな。 ま、そこまでリスクを犯せないということかな。 細谷抜擢だけでも進歩だな。

慎重な立ち上がりから、前半11分、左CKからファーサイド蹴ると、板倉に当たってこぼれたボールを菅原がシュート、そのこぼれ球をPA中央から南野が蹴り込んだ。 幸先よい先制点、これで大勝かと思ったんだが。
前半16分、ベトナムのCK、ニアサイドへのボールを、グエンディンバクが後ろに逸らすと、山なりで飛んだボールがザイオンの頭を越えて、ゴール右に吸い込まれた。 これは、どうしようもない。 アンラッキーゴールだな。 10発に1発入るかどうかというゴール。
そして、前半33分、ハイボールを遠藤航が競った所に後ろから板倉が突っ込んで来て、遠藤の頭に当たって、後ろに逸れた。 それをグエンディンバクが拾って、スピードに乗ってドリブルしてきたのを、菅原が倒してイエロー。 このFKをファントゥアンタイがファーサイドに蹴り、ブイホアンベトアインが半分フリーでヘディングシュート、鈴木 彩艶がセーブして前に弾いたのを、走り込んできたファムトゥアンハイが押し込んでベトナムが逆転。彩艶が前に弾いたのが失点の原因。 もっと横に弾かなければダメだろう。 彩艶はわかっていたけど、右手の出し方の技術的なミスと語っていたようだけど、どうかな? 横に弾くという判断が出来てなければ、論外なんだが。 半分フリーでヘディングシュートを打たれたのも問題。 大体、距離があったからねえ。 遠藤が競り負け、菅原がブロックに入ってなかったらしいが。

 まさかの逆転を喰らったが、日本はギアを上げてきた。
前半45分、遠藤の縦パスを南野がPA内で受け、股下を狙ったシュートがそのままゴール右に決まった。 股下を抜けて来て、GKは反応が出来なかったね。
さらにロスタイムの前半49分、南野が中村にパス、中村はドリブルで相手に囲まれながら、PA手前左から右足でシュートを放つと、美しい弧を描いたシュートがゴール右に吸い込まれた。 後ろから映像だと、前のコースがほとんどふさがっていたんだけど、浮かしたから抜けたね。 素晴らしいシュートだった。 ほんと、中村敬斗は決定力があるよ。 これで逆転。 前半の内に逆転したのは、さすがとしか言いようがない。

前半は、3-2で終了。

後半、細谷に代えて、上田綺世を投入。
ダブルボランチの守田を少し前に上げて、遠藤アンカーの4-1-2-3にしてきた。
これがよかったね。 あと、守備の時、少しリトリートして4-4-2にするようになった。
これで、試合が完全に落ち着いた。 ベトナムはほとんど攻撃出来なくなった。
しかし、日本の攻めもイマイチになって、堂安、佐野海舟、毎熊と投入するも、追加点を奪えず、最後久保を投入して、後半40分、遠藤の縦パスを受けた堂安が久保につないで、狭いスペースで久保が前を向いて、左の上田に横パス、上田が横に出して、強烈なシュートを放つと、相手DFの足に当たりながら股下を抜いて、ゴールに決まった。 さすがの久保の切れ味あるプレーだった。 
最後、突き放しての勝利は貫録勝ちという感じだった。

森保監督の後半のシステム変更は、バッチしだったな。 さすがだ。 安定の采配になってきた。

 セットプレーからの2失点で、1点はアンラッキーゴール。 サッカーにはこういうこともあるという失点。 逆転ゴールはお粗末で、トルシエ監督が試合前に語っていた10回やれば1回は勝てる、それが今回ということもありえる、という試合展開だった。 それを前半の内に逆転仕返し、後半は危なげなく勝ち切った。 強いとしか言いようがないだろう。 攻撃力のある強いチームの勝ち方。 運に左右されない、運を跳ね返す力があるということ。

 細谷はダメだった。 ベトナムがハイラインなのに裏にボールが出てこなかった。 細谷の動き出しが悪ったのか、周囲が細谷の動きをわかってなかったからなのか?わからんけど。 しかし、前半最後の方、南野からのワンタッチパスを受けた決定機があった。 GKにセーブされたけど、あのシュートを決めていれば、及第点だったんだけどな。 後半に出た上田もベトナム相手にポストプレーがほとんど出来ず、酷かった。 しかし、1点決めたからなあ。 南野と違って、股下を狙ったかどうかは知らんが。
細谷に批判が集中してるけど、細谷はこれから。 久保と組ませてあげたいね。
伊東純也の出来が珍しく良くなかったねえ。 疲労の蓄積とかじゃあ、なければいいんだが。
中村敬斗は、ゴラッソゴール以外は酷かったねえ。 ドリブルで抜けないのがかなりマイナス。 オーストリアでは無双出来てたのに、フランスや代表ではからっきしだ。 ウィングとしては、辛いものがある。
南野は、出色の出来、2ゴール1アシスト。 縦パスを受けて前を向けてたのが、良かったね。 第1期、森保ジャパンで三銃士と呼ばれてた頃以来の出来だね。 なおかつ、守備が凄く良かった。 切り替えの速さが素晴らしく、戻りもさぼらなかった。 守備でも目立ってた。 完全復活だね。

守田もあまりよくなかったな。 サイドチェンジのタイミングは良かったけど、パスの精度がなかった。
遠藤航もあまりよくなかった。 守備の方で。 まあ、それでも縦パスをばしばし入れてたけどね。

菅原は、悪かったねえ。 ベトナムで1対1で負けてたやん。 元々、守備を凄く不安視してたけど、最近ぼろを出してなかったので、良くなったのかと思ってたけど、あれじゃダメだね。 WCで強豪相手には使えないなあ。
伊藤洋輝は、もう少し攻撃センスが欲しいけど、CBの選手だからねえ。 
板倉はまずまずかな。
谷口は良かったね。 前にスペースがあれば、ドリブルで持ち上がるプレーが出来てたのは大きい。

さて、鈴木彩艶。 1失点目はしょうがない。 誰がGKでも無理だろう。 タイミングが取れないからね。
2失点目のボールの弾き方、あれが大問題だ。 代表GKクラスになれば、横に弾き出さないとな。 試合経験が少なかったから、どうプレーすべきかという場数を踏んでないのが、ああいう所に出るんだと思う。 試合経験を求めて、早く浦和を出るべきだった。 そう判断出来なかったメンタルが問題だな。 才能は日本史上最高のGKになれると思うが、どうやったら向上出来るか、考える頭もないと、ダメだからなあ。 ミスなので、これから取り返せばいいんだが。

ベトナムは良かったねえ。 日本は全ての年代でベトナムに相性が悪い。 ベトナム人の方が俊敏だから、アジリティーが高いからだと思う。 日本は世界相手にアジリティーでほとんど勝てる。 しかし、ベトナムには負ける。 アジリティーで負ける経験がないから、調子が狂うんだと思う。 具体的には、ベトナムの方が反応が良くて、セカンドボールを取られることが多い。 アジリティーで負けるなら、高さで勝つとか、体をぶつけてフィジカルで勝つとかすればいいんだけど、いつもやられる方で自分からやる方に回ることがないので、慣れてないんだね。 後ろ向きの選手に結構ボールキープされて、繋がれてたからねえ。 日本の方がフィジカルあるんだから、潰さないと。 アジアの笛でファウルを取られるから自重するというのもあるかもしれんけど。 けど、アジアでもファウルを取らない流れが出来ていると思うけどね。 今度からは、ベトナム対策をきっちりとすべきだね。 フィジカルで潰すということを徹底しないと。 苦手意識を持ったらダメだし、相手を調子ずかせるのも良くない。 しかし、あれだけ、バックラインでボールを回せるとは思わなかった。 まあ、トルシエの力かね? 大嫌いな監督だけど。
久保のコメントに驚いた。
「正直、トルシエ監督に僕たちがやろうとしてることをやられた」「相手の嫌なことをやって自分たちのペースでゲームを運ぶということを前半はずっとやられてた。後半は修正できて良かったですけど前半のうちに修正しないといけない。ベンチで見ていてびっくりじゃないけど圧倒されました」「中に入って1タッチ目の置きどころがうまいから、余裕を持って日本のプレスに耐えられる。見てみたいですね、どんな練習をしているのか。アジアで1、2を争うポゼッション力が合ったと思う」と実力を認めた。
これは、ほめ過ぎだろう。 
このサッカーでイラクに勝てるかと言えば、わからんよ。

その後の久保のコメントが面白い。
続けて「つなぐチーム。カウンターよりはサイド裏を狙ったり良いサッカーするのは分かってた。おごりじゃないけど、僕らの方がやれるという自負はあった中でのアレだった。想定を上回られた。珍しかったですね。ボールをつなぐことに懸けて布陣をばらしてでもつないでくる。逆につながれたからといってピンチを迎えるわけじゃないけど、その結果ずるずる下がって取れずというシーンもあった。面白いサッカーだなと。中立の立場の人間からしたら楽しかったんじゃないかなと思う。良くないなと思って見ていましたけど、現地サポーターは盛り上がっていた」
それでも「こういう内容でも勝つのが強いチームなので、そこはポジティブな要素」

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