死闘の中、スター誕生。 メッシからエムバペへ。 フランス4-3アルゼンチン。

 ロシアワールドカップもグループリーグの戦いを終え、いよいよ決勝トーナメント1回戦が始まった。
初戦は、フランス代表とアルゼンチン代表の強豪同士の対戦。

 いきなり度肝を抜く形で試合が動いた。
前半11分、エムバペがエリア中央でボールを拾うと、凄いスピードのドリブルで前進する、さらに凄かったのは、相手DFに体を寄せられると、さらにドリブルを加速させたのだ。 DFはたまらず体を抑えて、PA内で倒してしまって、PK。
圧倒的なスピードに度肝を抜かれたよ。 こんなんで点が取れたら、楽。

 これで、フランスの勝ちかと思ったけど、簡単にそうさせないのが、アルゼンチン。
前半41分、スローイングから繋いで、PA手前中央へ、ボールを受けたディマリアが、ワントラップでボールを動かして、左足一閃、強烈なシュートがゴール右端に突き刺さった。 同点。
前半で追いついたのは、大きい。 これで面白い試合になったと思った。

 後半もいきなり3分、ディマリアが左サイドでドリブルで侵入。 倒されて、FK。
ディマリアがこんなに巧い選手とは知らなかった。
そのFKからのこぼれ球を拾ったメッシが反転をしながら強引にシュート。
ゴールは無理と思ったけど、ゴール前にいたメルカドの足に当たって軌道が変わり、ゴール右に吸い込まれるて、逆転。
滅多にお目にかかれないディマリアのスーパーゴールにラッキーなゴール。
そして、2点に貢献したディマリア。
これは、アルゼンチンが勝つ流れか、と思った。

 しかし、後半12分、フランスが左サイド奥から難しいセンタリング、ボールが通り抜けてきたのを、走り込んでSBパバールが右足でボレーシュートを放つ。抑えられたシュートがゴール左のサイドネットに突き刺さった。
フランスが実に鮮やかなスーパーゴールのお返しをした。
俄然、盛り上がる。
決勝ラウンドらしい、ガチンコの殴り合い。 しかも美しい。

 その戦いに決着をつけたのがエムバペだった。
後半19分、ゴール前のクロスの跳ね返り、トラップを前に大きく出して、密集の中から一瞬で抜け出す。 そして素早く 左足を振り抜くと、GKの手を弾いて、ゴールに吸い込まれた。 3-2。

さらに、後半23分、フランスは自陣からカウンター。
鮮やかにボールを素早くつないでいく。
最後、ジルーが敵陣中央からペナルティエリア右にスルーパスを送ると、抜け出したフリーのエムバペが冷静に右足でゴールへ流し込んだ。 ダメ押し。 

 スター誕生の瞬間だった。
超絶的なスピードのドリブルでのPK獲得。
一瞬の速さでゴール前の密集を抜け出し、間髪おかず振り抜いたシュート。
そして、カウンターの美しい流れの中からの冷静なゴール。
3様のゴールを演出した。 正にスターに相応しい活躍だった。
まだ、19歳だよ。 そして何より、少し聡明な顔をしているのだ。
頭も使ったプレーも出来ると思う。 それだけ、まだ伸びしろがある。
凄いプレーヤーになりそうだ。

 その後、フランスは試合を終わらせにかかる。
それにアルゼンチンは攻めあぐねる。
これで、終わりと思ったが、
後半48分、メッシが敵陣中央の右からドンピシャなクロスを送り込むと、DFの背後に回ったアグエロがヘディングでゴールを決める。 3-4の1点差。
メッシが意地を見せた、瞬間だった。
そして、ロスタイムの終わり間際、何とかゴール前にクロスを送り込んで、チャンスを作るが、得点にはならなかった。
試合終了。
 
 強豪同士のガチンコの死闘。 今大会一番のゲームだった。
そして、メッシからエムバペへ、スターの系譜が移り行くゲームだったと思う。

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