高妻山or白根山に登る予定だったが、雨のためしょうがなく東山魁夷の絵でも見ようと長野県信濃美術館に行ったら、ジブリアニメの背景を描いている人の展覧会をやっていた(09/08/10)。トトロの森を描いた人、ジブリの絵職人 男鹿和雄展というタイトルで面白そうだった。会場は、子供連れで混雑していた。初めは、何というタイトルのアニメか忘れたが、近未来都市の遠景を細かく精緻に描いていた。この人の絵は、それだけでなく、何か雰囲気を醸し出しているところが良い。いろいろなアニメに参画していたようだが、「侍ジャイアンツ」の絵とかあって、懐かしかった。やはり、ジブリアニメの絵が一番いい。「となりのトトロ」は、里山の雰囲気が良く出ていて、日本人の心の琴線に触れてくる。一方、「もののけ姫」では、人里離れた自然を描いている。「おもひでぽろぽろ」の村の全体を描いている構想図があった。これが嬉しかった。場面場面の絵の整合性がとれるように、やはり最初に全体像を構想している方がいい。
この後、併設の東山魁夷館で、東山魁夷の絵を見た。風景画は、かなり好きであるが、やはり東山魁夷はいい。今回は、北欧旅行の際の風景画が展示されていた。針葉樹が立ち並び湖が取り囲む、そんなひとけのない風景が大画面で描かれていた。ある意味荒涼としているが、心惹かれる物がある。数十点の中で、「静唱」がとても気に入った。広大な公園と思われる所に冬枯れの木々が奥へ整然と並んでいる。冬の朝もやの中、鈍い空の下、湖面が広がっている。空が少し明るみだしている。この美しい静けさは、何だろう。波ひとつない湖面に映る木々が、静けさを際立たせているようだ。心惹かれる絵。
男鹿和雄の作品1 男鹿和雄の作品2
東山魁夷の「静唱」