帰ってきた江戸絵画    京都文化博物館

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  山本梅逸の「四季草花図」

 京都文化博物館で帰ってきた江戸絵画 ニューオーリンズ ギッター・コレクション展を見た(2011/09/17)。一眼科医が収集した江戸絵画が展示されていた。俵屋宗達・伊藤若冲・与謝蕪村・池大雅・酒井抱一・谷文晁とビッグネームが揃っていて、個人の収集としては、驚くべきことだが、展覧会レベルの作品は少なく、イマイチだった。
 最初に伊藤若冲が6点ほど、白象の絵が面白かったが、他はイマイチ。長澤蘆雪も「月に竹図」は、趣があったが、蘆雪らしい絵はなし。今日はダメかと思い始めた所で、曾我蕭白の「二老人図」がすごかった。本展のベスト。滝から流れ落ちた水が、しぶきをあげながら飛び跳ねている。様々な墨跡で描かれ、水の躍動感のみならず、何か写実を越えた美しさを醸し出している。仙人の老人の衣が、まるで岩のように見えてくる。ここには、水墨の不思議な美の世界がある。水墨には色がないかわりに、多彩な筆使いがあるので、それが多様な効果を生み出している。あと良かったのは、山本梅逸の「四季草花図」、近くで見ると、繊細な描写でなかなかいい。梅の木を中心に、様々な草花が描かれている。ただ、離れて見ると、ぼやーっとした印象になるので、少し足りない。

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