京へのいざない  ~京都国立博物館~

 「京へのいざない」展を京都国立博物館で見た。
新しく建築された平成知新館(平常展示館)のお披露目だ。

京都国立博物館 002 (640x480)
ちょっと 滋賀県の琵琶湖湖畔にある佐川美術館に似ている。
近代性しか感じない。
あまり京都に相応しいとは思わないね。
伝統と近代を融合させないとダメだろう。
京都の国立博物館なんだから。
有名な建築家の作みたいだけど、失敗作だね。
京都国立博物館 004 (640x480)
建物前の水場なんて、佐川美術館そっくりだね。

1階から見ていく。
平安から鎌倉の京都の仏像。
★千手観音立像 光明寺 : ちょっと気の弱そうなお顔で、優しげ。

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★宝誌和尚立像 西往寺 : 和尚の顔が割れて、中から観音が顔を出している彫像。
 今回で2度目。 初めて見た時は、その斬新さにびっくりした。
 ちゃんと説話にのっとった像で、彫師の発明ではないらしいけど。
 今回、じっくり見てみると、その質素な服装とすっと立つ自然な姿が素晴らしい。

絵巻はイマイチだった。

2階に上がる。
お目当ての肖像画。
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★伝源頼朝像 神護寺 : この有名な国宝の肖像画を見たかった。
 顔に品格がある。 そして武士らしい気迫も。
 そして、絵に添えてある解説が素晴らしかった。
 肖像画の最高傑作とのこと。 
 確かに、そうかもしれない。 今まで見た中では、ベストかも。
 極細の線を重ねて、線を作り上げているらしい。
 その重ね具合を使い分けて、様々な効果を出しているらしい。
 ガラス越しなので、その技法を確認できなかった。 残念。
★伝平重盛像 神護寺 : これも国宝で伝源頼朝像に似ている。
 少しタレ目で、貴族的な顔である。 
 しかし残念ながら肝心の顔の部分に欠損があるようで、十分に鑑賞できない。

仏画
★釈迦如来像(赤釈迦) 神護寺 : 平安仏画のうち釈迦を単独でえがいた唯一の遺品だそうだ。
 女性的な肖像。 赤い衣が珍しい。
★阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎) 知恩院 : この躍動感は素晴らしい。
 山水が黒ずんでしまっているのが残念。

中世絵画
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★天橋立図 雪舟筆 : 雪舟展依頼久しぶりに見た。
 見た瞬間、これが出てたのかと思わず、”おっ”と声が出てしまった。
 相変わらず、素晴らしい。 説明不能だよ。
★楼閣山水図 伝元信筆 : これもいいねえ。
 初め、雪舟かと思った。
 右半分の湖畔の幽玄さは半端ないねえ。
 左半分の岩の鋭さも、雪舟張り。
 しかし、右半分と左半分が融合しているかと言えば、少し難があるような気がする。
 そこが、今一歩雪舟に届かないところか。
 しかし、こんだけの絵は、元信じゃなきゃ描けないでしょう。 伝は不要。

近世絵画
★阿国歌舞伎図屏風 京都国立博物館 : これは重文というより国宝でしょ。
 人以外の描写にうまみが欠ける点に難があるが、人物描写は一級品。
 多くの人が描き分けられ、ちゃんと踊る阿国に焦点が当たっている。

さすが、京博、一級品が揃っている。
「伝源頼朝像」と「天橋立図」は、是非見るべし。

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コメント

  1. […]  「京へのいざない」(第2期展示)を京都国立博物館で見た。 「鳥獣戯画」展を見終わった後、平成知新館を覗いてみた。 「京へのいざない」(第1期展示)もすでに見ているから、ざっとで十分。 […]