WCアジア最終予選の選手起用から見えてくるハリルホジッチの信頼度。

 ワールドカップ(W杯)アジア最終予選も7試合を消化し、残り3試合で佳境に入ってきた。
今までのアジア最終予選の選手起用をまとめて、ハリルホジッチ監督の選手への信頼度を炙り出したいと思う。

 GKは西川周作で決まりと思っていたんだが、ここ2試合は、川島永嗣を起用した。
ハリルの采配で一番の驚きだった。 リスクを冒してまで起用したということは、川島の方がかなり信頼度が高いということだ。
冷静に見ると、川島は、ボールへの反応が良く、恐らくディフェンダーへの指示能力が高いのではないかと思う。
西川は、キックの精度が高く、カウンターへの起点になりうり、バックスとのボール回しができる。
GKは、勿論守備力が一番重要ということを考えれば、川島起用も頷ける。
ただ、川島の場合、所属チームで出れていないので、今後その時の状態次第でサポートに回ることもありうるだろう。
今回、東口が怪我で呼ばれていないが、反応という点では、東口の能力も高い。
東口が、西川に代わることもありえる。

 CBは、吉田麻也と森重真人で不動だ。
SBも酒井宏樹と長友佑都で不動と言ってもいいだろう。
酒井宏樹が出なかった1試合が、カードによる出場停止。
長友佑都は、怪我と不調で出れなかっただけで、ここ3試合の連続出場を見て、酒井高徳はまだ及ばないことがはっきりした。
DF陣は、鉄板だ。

 ボランチも長谷部誠と山口蛍で固い。
二人が怪我や不調で出れなかった時、4選手が出たが、ハリルが満足したのは、今野泰幸だけだったようだ。
柏木陽介が出たイラク戦も攻撃が機能したとは言い難かった。
ハリルは、ボランチに守備力を強く求めている。
基本的に、点は、前の4人で取れと考えているのだろう。

 左WBは、原口元気で決まり。 初戦こそ、清武弘嗣が使われたが、WBの選手じゃない。
原口元気の成長は、とても大きかった。
トップ下は、香川真司の信頼度が高いようだ。
自分は、清武の方がいいと思うのだが。
本田圭佑が右WBで出ている時は、本田がタメを作って、パスを供給していたから、前への飛び出しに優れた香川でもいい。
しかし、右WBが久保裕也の場合、久保は自分で仕掛けるタイプなので、大迫・原口・久保にパスを供給する選手が必要なのだ。 それが、その能力に長けた清武。
右WBは、久保裕也。 今の絶好調が続くかどうかは、わからないが、現時点で久保で決まりだ。
本田が復調したとしても、本田は本来WBのプレイヤーでない。
スピードがないし、仕掛けるタイプでないからだ。
ハリルが目指す縦に速いサッカーでは、WBは上下動が出来て、ドリブルができて、速いのが理想だ。
パスのコンビネーションの役割は、少し減る。
従って、本田は前にも書いたが、トップ下で使うべきなのだ。
他の有望な人材も出てきているのだから、香川との共存なんて考える必要はない。
もし、久保や原口が1対1で全然勝てないようなら、コンビネーションサッカーをするために、香川・本田を使うオプションを持っておく必要はあるだろうが。

 FWは、多分、大迫の方がハリルの信頼度が高いと思う。
しかし、大迫勇也と岡崎慎司の使い分けだと思う。
大迫のポストプレーが通用するなら、大迫の起用。
今、アジアで通用し、ドイツでも通用しているようだが、世界の一流CB相手に通用するかどうかは、わからない。
そんなことができる選手は、世界のFWでもほんの一握りしかいないんだから。
そういう場合は、裏への抜け出しに優れた岡崎の方がいい。

 次は、サブについて。
DFの途中交代は、終了間際の丸山しかなかったんだな。
驚いた。
丸山は今回呼ばれていない。
CBのサブは、昌子源と植田直通だな。
左SBのサブは、酒井高徳。
右SBのサブは適任ではないが、槙野智章。
ボランチのサブは、今野泰幸と酒井高徳。
酒井高徳は慣れだと思う。 今回の経験で、酒井はドイツでボランチとして出た時、日本代表でのプレーを強く意識してプレーするようになるんじゃないかな。 そして、腕を上げるだろう。
しかし、小林祐希を試して欲しい。
小林祐希は、オランダで守備力も磨いているようだから。

 右WBのサブは、本田圭佑。 武藤嘉紀も捨てがたい。 そして、小林悠。
トップ下のサブは、清武弘嗣と本田圭佑。
左WBは、宇佐美貴史。 しかし、ここは激戦区。 斎藤学と乾がいる。
FWのサブは、岡崎慎司。
ストライカー型の選手は、好不調の波がある。 一度調子を落とすと、中々立ち直れない。
高原直泰とか西澤明訓とか、どんな実績のあった選手でも、信じられないくらいダメになる。
だから、ストライカー型の選手は、好調な選手を使うことが大事になってくる。

 まとめると、こうなる。

小林祐希は、自分の願望。
負けている時は、攻撃的なボランチが必要。

 もっとも、WC本番直前に遠藤保仁を呼ぶ可能性は十分あると思っている。
遠藤を呼ぶと、遠藤のコントロールするチームになってしまう。
遠藤は、年齢的にWC本番時にやれる体力・体調にあるかどうか、わからない。
そんなリスクは冒せないし、若手の成長を促す意味でも、遠藤を呼ばなかったと思う。
遠藤なら、WC本番直前に呼んでも、フレンドリーマッチでチームに合わせられる能力は十分にある。

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