NHKの「秘島探検 東京ロストワールド」にワクワクしたよ。

 NHKスペシャルの「秘島探検 東京ロストワールド」 第1集 南硫黄島 を見た。
久し振りにワクワクしてTVを見たよ。

導入が煽ってくれる。
「ここは、禁じられた島。 30年以上に渡って国が上陸を禁じている島だ。
あなたは、この島を知っているだろうか?」
島の映像と共に、これで、一挙に引き入れられた。

 舞台は、東京都心から南1300kmに浮かぶ絶海の孤島、南硫黄島。
南硫黄島は、小笠原諸島の最南端に位置する。 太平洋戦争の激戦地・硫黄島のさらに南。
人が住んでいそうな感じがするのだが、ピラミッド状の急峻な地形で、最高標高は916m。 100-200mの垂直に近い海食崖が島を取り巻き、海岸にはあって幅50m未満の礫浜。 とても人を寄せ付けない地形。
1983年に、国が自然保護の為、日本で唯一全島立ち入り禁止とした。

 その神秘の島に、今回自然調査のプロジェクトを立ち上げ、各分野の専門家を集め、史上初の全島調査を行った。
南硫黄島は、誕生して3万年の比較的新しい島。
3万年は、独得の生態系が誕生し、丁度生き物が劇的な進化を始める時。 進化の謎を探るには、絶好の島なのだ。

 まず、荒波の中、上陸する研究者達。 結構大変そうだ。
そして、急峻な崖に登山家が切り開いたルートをロープをたよりに何とか登って行く。
そして、標高500mの中腹の少し平らな所にベースキャンプを築く。 狭い中、何とか各自テントを張り、1日目は終わる。
と思いきや、寝入りばなに激しい物音に襲われる。 海から戻って来た海鳥たちが、次々と突っ込んできたのだ。 どうやら巣への通り道だったみたい。 それで、てんやわんやになる。 ちょっとしたドラマになって、飽きさせない。

 さて、独得な進化を遂げている生き物たち。
何やら黒い鳥が、崖の周囲を滑空している。 実は、オガサワラオオコオモリ。
果物がなくて、草を食べて飢えをしのいでいる。 だから、昼夜飛び回って食べ物を探している。
コオモリは羽ばたいて飛ぶのだけど、この島のオオコオモリはエネルギーを節約するために、滑空するようになった。 島の周囲には、上昇気流もあるし。
もしかしら、この島のオオコオモリは、今後オオワシみたいに形態が進化していくかもしれない。
面白いなあ。

他にも、普通海岸近くにしか住まないカニ。 それが島の高い所にまでいる。 それは、鳥の死骸を食べて生きているからだった。
また、ゾウムシが標高が高い所では、体が大きくなっていた。 標高の高い所では、エサが豊富。 そこで、オス同士の争いが激しくなって、体が大きくなっているのではないかと。
南硫黄島には、400種の生き物がいて、ここにしかいない固有種も数多くいる。
その生き物たちが独得の進化を遂げようとしているのだ。 面白い。

 そして、真打ち登場。
進化学者の千葉さんが、2007年の調査で来た時、見つけた新種。 枝の上を住処としていたことから、気の精霊、木霊(コダマ)と名付けた。
正体が明かされなかったので、ここで、おお~と惹きつけられたよ。 ジブリの「もののけ姫」の精霊の森を連想したからねえ。
正体は、わずか2㎜のカタツムリと明かされた時はがっかりしたが。
しかし、コダマを探す千葉さんの情熱と、その生態の進化を遂げつつある様に引き付けられていった。
前回の調査では、シダの林で見つけた。 今回は違った環境の場所で探した所、乾燥した草原・土の上・雲霧林でも見つけた。
住む環境で、コダマはすこしずつ形態が異なり、5つのグループに分かれていた。 今まさに進化途上にあるのだ。
南硫黄島の同じようなノミガイには、このような変化が見られていない。
人間を含む哺乳類は、小さなネズミから爆発的に分かれて、進化していった。
このような進化を遂げる秘密が、DNAのどこかにあるのではないかと、千葉さんは類推していた。
コダマを研究すれば、何かヒントが見つかるのではないかと。

 いや~、面白かった。 ドラマあり、凄い映像あり、教育的要素あり、そして今後謎が解明されていくようなワクワク感ありと、中身が詰まっていたよ。
NHKは、クローズアップ現代では糞みたいな番組を作っているが、こういう科学系ドキュメンタリーではピカイチの番組を作って来るね。 金と時間はかかっているだろうけど。

 次回は、第2集 孀婦(そうふ)岩、2018年9月29日(土) 午後9時00分~9時49分放映。
見逃せないね。

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