滋賀県の天吉寺山というマイナーな山に山登りに行った。
登山口から1時間ほど登ると、大吉寺の遺構がある。
全部建物跡だけど。
源頼朝の供養塔があったりする。
平治の乱で、頼朝が戦に敗れ、この寺にかくまわれたことがあったそうだ。 その縁かな。
そして、この大きな寺跡の一番高い所に覚道上人の入定窟があった。
お祈りをしておく。
ここから山頂への道がわかりにくかった。
踏み跡が薄い。
藪みたいになっているし。
左の木の幹に赤いテープが巻かれている。
赤いテープが少し歩くと次々と巻かれていて、テープと薄い踏み跡を頼りに登っていく。
まあ、何とか山頂に登れた。
下山は行きと同じ道を下る。
一度歩いた道を歩くのだから、大丈夫と安心していたんだが。
最近YAMAPのソフトを知った。 登山地図上の現在地をスマホで見れるソフト。 GPSで検知してくれる。
これがあれば、道迷いは大丈夫と思っていたんだが、今回はなぜか現在地を検知してくれなかった。
しょうがない。 まあ、今までこんなのなしでも無事やってきたんだし。
方角と標高を示してくれる登山時計を持っているので、あと登山地図の読図もある程度出来るので、今までも危機が何回かあったけど、切り抜けてきた。
さて、今回、登山時計が示す標高から見て、入定窟に大分近づいて来ていたのは分かっていた。
しかし、途中から赤いテープが見られなくなった。 しかし、分かりやすい踏み跡はある。
どんどん進んでいくが、あれだけあったテープが見られない。 凄く不安になってくる。
こりゃ、道を間違えたなと判断し、最後にテープがあった所まで戻ろうとしたのだが、そこでさえ戻れない。
これには、焦った。 とりあえず、尾根の上に出ようと、道のない所を強引に登るが、凄く滑ってずるずる落ちる。
ズボンが真っ黒。 こりゃ、ダメだとあちこち歩くと、偶然最後に見たテープを見つけた。
よし、やり直し。
3方向に行けそうだが、2方向は藪。 右手だけが、踏み跡がしっかりしている。 どの方向にもテープは見つからない。 しょうがないから、右手に進む。 先程と同じ道だった。 今度は、引き返した所よりもっと進んでみる。
地図を見ながら、この谷を越えるはずと考えながら、進んでいく。
かなり歩いて、こんなに歩くはずはないと悟る。 こういう時は、休んで落ち着いて考えるべきと過去の経験から知っているので、座ってポカリを飲みながら、考える。
スマホを見ると、アンテナが立っている。 もしもの時は救援を頼むことになるのかな。
夕方も近いから捜索となると明日か。 汗だくだし、何もないのに、一夜を過ごすのは大変だな。
入定窟の近くまで来ているから、恥ずかしいし。 とか考える。
まあ、まだ頑張ろうと、地図を見て考える。
この幅広い尾根の手前で曲がるけど、これってさっきの尾根じゃないかなと思い当たり、地形を見ながら戻る。
また、戻る道がわからなくなる。 何でちょっと前に歩いた道がわからなくなるんだ、と思っていると、偶然赤いテープに出会った。 助かった~。
少し歩くと、覚道上人の入定窟に着いた。
入定窟を見ていると、覚道上人に助けられたと、ふと思った。
感謝のお祈りをし、一休みしてから、下山した。
5時前になっていた。
日没少し前、助かった。
身の危険を感じて、神経が集中するのを感じてた。 研ぎ澄まされる感じ。
こういう緊張感も偶には感じないと、ダメかもしれない。