ポーランドの至宝    サントリーミュージアム[天保山]

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 レンブラントの「額縁の中の少女」    ポール・ラ・タルテの「演奏会」

 ポーランドの至宝展をサントリーミュージアム[天保山]で見た(10/10/09)。雨にもかかわらず、3連休ということで、海遊館の周辺で30分も渋滞に巻き込まれた。
 本展は、ワルシャワの王宮に伝わる絵画等と国立美術館のコレクションより、19世紀のポーランド絵画を集めた展覧会である。最初、イタリア風の絵画がずらーっと並ぶが、つまらない。そして、レンブラントの「机の前の学者」、迫真のリアリズムである。そして、本展の目玉、「額縁の中の少女」、最初はレンブラントのモナ・リザという謳い文句に騙されて、精緻に描かれた少女の顔に見とれる。茶色のビロードのドレスが粗いタッチで描かれているのが、いい。なんといっても面白いのは、絵の額縁のすぐ内側に額縁が描かれており、少女が額縁の下枠に手をかけて、今にもこちらに出て来ようとしているのである。最初は、レンブラントにこういうユーモアがあるのだなあと思って見ていたのだが、少女のちっとも少女らしさの感じられない表情を見ている内に、ちょっと不気味に見えてきた。そして貞子を連想してしまった。
 今回一番印象に残ったのは、ポール・ラ・タルテの「演奏会」である。最初、下手糞な絵だなと思って通り過ぎようとしたのだが、ちょっと気になって、じっくり見てみた。第一感は、平面的な絵だった。果物があるテーブルを囲んで、中央に女性の歌い手、左手にリュート、フルートを演奏する二人の男、右手にヴァイオリン、ハープを演奏する男がいる。後ろの二人の男に奥行きが感じられないために、いやに平面的に感じるのだ。しかし、近づいて良く見てみると、右奥の男の顔の描写がじつにうまいのだ。左手前のあくの強い顔の男も、実に味がでている。かなりの腕前だ。衣装も実にうまく描けていて、絵画的な味わいがある。しかし、中央に女性の歌い手の顔は変である。眉毛に対して、眼が左にずれているため、痴呆的な印象を受ける。と、ここまで考えて、こいつは確信犯だなと思った。奥行きがないのも、女性を痴呆に描くのも、わざとなのだ。曽我蕭白を連想してしまった。蕭白みたいにグロテスクには描かないが、絵の中の調和を乱す。かなりの腕前なのに。ネットで調べてみたら、一件だけひっかかった。知られていない画家で、ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの周辺で活動していたらしい。ラ・トゥールは凄い画家である。この画家も捨てたものでない。
 あとひとつ良かったのは、ヴィトルト・プルシュコフスキの「ステファニア・フェドロヴィチの肖像」、近代を感じさせる絵で、少しマネを感じさせる。

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