ジョン・エヴァレット・ミレイ展  Bunkamuraザ・ミュージアム  08/09/15

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 少し前の話になるが、フェルメール展と連荘で本展を見た。荷物をコインロッカーにも置けず、駅からの方角にも戸惑い疲れた。絵を見るコンディションとしては、ひどかった。ミレイは、イギリスのラファエル前派の画家であり、『オフィーリア』で有名である。ラファエル前派は好きでない。ロセッティの描くエキセントリックな女性の顔が気に喰わないし、歴史上の物語を写真のようなリアリズムで描くところが、時代錯誤であるという印象を持っている。さて、本展を見て、ミレイはまっとうな画家であると認識し直した。

 初期の「樵の娘」を見ると、彼の特徴が良く表れている。まず、森を描くその超絶技巧にあきれてしまう。大したものである。娘の赤い服が際立っているが、その赤がエキセントリックな赤なのである。ほんの少し神経をかきむしる所がある。そして物語性である。樵の小さな娘が領主の小さな男の子と親しそうにしている場面を描いている。意味ありげである。次の「マリアナ」(写真)となると、その技巧たるや並々ならぬ物がある。これほど上手い画家は、そうはいない。

 そして、『オフィーリア』(写真)。とても美しい。水に流されていくオフィーリアも美しいが、川辺の草花が美しい。しかし、深みはない。錯乱して溺死して水に流されている女を唯美しく描くというのは、如何なものか。

 その後も、美しい絵が続く。しかし、心惹かれることはないなあと思っていたら、最後の風景画のコーナーで、『露に濡れたハリエニシダ』(写真)に出会った。深い森の朝靄の中でほの明るい朝の光にシダが浮かび上がっている。神秘的な神々しい美しさがある。精緻な絵なのに、近づいて見ると、粗いタッチで描かれているのに驚いた。

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