特別展 聖地 チベット   大阪歴史博物館

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カーラチャクラマンダラ・タンカ」 カーラチャクラ父母仏立像

 

 大阪歴史博物館特別展 聖地チベットを見た(10/01/23)。全123件中、36件が国宝ということで、なかなか見ごたえのある展覧会であった。仏教国チベットの成り立ちとチベット仏教美術のありようがうかがえた。チベットは、吐蕃王朝のソンツェン・ガンポ王が、ネパールと唐から妃を迎えたことから始まったといえるようだ。二人は仏像を持って吐蕃にやってきた。それを納めるために、ネパールの妃の占った地に唐の妃の進言により寺が建立された。そこは、湖をやぎ(ラ)によって運ばれた土(サ)によって埋め立てた地であったため、ラサと呼ばれたという。その後、ヒンドゥー教に追いやられた密教の高僧がインドからやってきたりして、仏教国として栄えることになる。

 「魔女仰臥図」、チベットの土地に伏す魔女、羅刹女が寺によって手足を止められて、暴れなくされている図である。チベットの成り立ちを考えさせる面白い絵である。「梵文」、梵文を挟んでいる板に彫りがある。自分には魁夷にしか見えないインド人のが描かれている。しかし味がある。そして、「マチク・ラプドウンマ坐像タンカ」、これは傑作である。タンカとは、漆等を下塗りされた綿織物に絵が描かれた掛け軸のような物である。中国風の仏と明王が描かれ、背景に所狭しと細密に岩や草木が描き込まれている。それが、濃密なオーラを放っている。ミンドゥリン寺の坐像5体、これも素晴らしい。リアリズムと土着の大仰な表現が混じり合っている。行者の肉体表現が素晴らしい。少しくずした足の表現が秀逸、苦行による独特の痩せてくびれた行者の胴体、逆にでっぷりした堂々たる行者のお腹の表現もいい。

 「カーラチャクラ父母仏立像」、方便(慈悲)の象徴である父と空の智慧(般若)の象徴である母が抱き合う姿を表しており、この二つが一体となることで悟りの境地に到達するということらしい。四つの顔と二十四本の腕でごてごてしているが、破綻はしていない。ヴァジュラキーラ立像タンカ」、これは、本展一番の傑作だと思う。妃を抱く憤怒の明王が様々なヴァリエーションで描かれている。絵的には、黒をバックに色彩感覚が素晴らしい。「緑ターラー坐像」、優美で美しい。腰をくねらせたこの手の坐像では、これが一番。獣頭金剛橛」、これがまた面白かった。橛というのは、チベット密教の宝具のひとつで、持ち手に仏像などがほどこされ、先端が刀状になっている。これは、動物の頭が彫られていて、面白い。空想と写実が混じり合い、民芸という感じである。ある犬の顔は、諸星大二郎の漫画の犬にそっくりで、驚いた。チャム装束」、舞踏劇の装束で、近代の物であったが、色もデザインも良くて気に入った。

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