ルノワール展    国立国際美術館

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    「エスタックのオリーブ畑」

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《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢 (可愛いイレーヌ)》  《りんご売り》

 ルノワール展を国立国際美術館で見た(10/05/22)。色々な美術館から色々な作品が集められており、なかなか良かった。個人的には、ルノワールの絵は、美しいとは思うが、それほど好きでもない。
 展覧会は、4つの章(ルノワールへの旅、身体表現、花と装飾画、ファッションとロココの伝統)に分かれており、そこが今回工夫したとこであろう。まず、ルノワールへの旅の章、1880年頃からルノワールらしくなってくる。「エスタックのオリーブ畑」、女性像もいいが、風景画もいい。草木が光をはらんで、輝く様は好きだなあ。「カーニュの風景」、小品であるが、赤味を帯びた美しい作品である。次に、身体表現の章、ここでは、《水のなかの裸婦》がとても良かった。背景の水面を黄土色っぽくし、体を背景に溶け込ませて、白い肌が浮き上がらせないようにしている。足元の水面を、濃い青にして、色のバランスをとっている。一見、黄土色が汚く見えるが、良く見ると段々美しくなってくる、いい絵である。
 次に、花と装飾画の章、《縫い物をする若い女》が美しい。女性は淡い明るい光に包まれている。濃い色で描かれた花との対比がいい。「アネモネ」、花弁のボリューム感が不思議な印象を与える。「水差し」、ルノワールらしくない素晴らしい小品である。掌に包みこみたくなるような胴の膨らみ、釉薬の透明感、岸田劉生の絵のようで、劉生よりいい。
 最後に、ファッションとロココの伝統の章、この章の絵がルノワールらしさに満ち溢れている。《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢 (可愛いイレーヌ)》、細部に至るまできめ細やかに彩られている、美しい 。もっとも、魅力の半分くらいは、モデルの女の子の美しさのおかげかもしれない。そして、これぞルノワールの美しさと言いたいのは、《りんご売り》 である。森の木陰の下で、家族が座ってピクニックを楽しんでいる。大きなタッチの流れを縦にそろえているので、動的リズムが生まれている。親子の衣装が木漏れ日で、輝いている。草木の緑と合わせて、光をはらんだ色が燃え上がっているようで、これぞルノアールと言いたい。残念ながらこの素晴らしさは、上の写真では伝わらない。そして、最晩年の「風景の中の三人」、光を帯びた色の氾濫という感じの絵である。モネの最晩年も色を塗りたくったような美しくない絵を描いたが、この絵は美しい。近寄って見ると、それこそ粗いタッチで雑多な色が塗り散らかされているが、中央の女性の服の紫がこの絵の中心であることを感じることができる。そうやってから離れて見ると、とても美しく見えてくる。冒険的な絵である。

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