「親鸞 生涯と名宝」 ~残念~ *京都国立博物館 

 京都国立博物館で、「親鸞聖人生誕850年特別展 親鸞 生涯と名宝」を見てきた。

2023年は浄土真宗を開いた親鸞聖人(1173~1262)の生誕850年にあたります。
親鸞の求道と伝道の生涯を、自筆の名号・著作・手紙をはじめ、彫像・影像・絵巻など浄土真宗各派の寺院が所蔵する法宝物を一堂に集め紹介します。とのこと。

知名度No.1の名僧なので、さぞや関連する美術品が凄いのでは、と期待していたのだが、見るべきものは全然なかった。 そのことに少し驚いた。
しかし、親鸞は庶民に支持された僧で、朝廷や権力者に支持されるどころか弾圧される側だったので、パトロンがいなくて、そうなるのも仕方がない話に思えた。

見所は、親鸞聖人絵伝だろうけど、幾つもあったが、いいのはなかったかな。
国宝 親鸞聖人影像(安城御影副本)と親鸞聖人坐像 三重・専修寺が良かったぐらいかな。
それも、絵や仏像が優れているというよりは、親鸞の個性的な顔が表現されていて、面白いという感じだから。

浄土宗は、僧の教えの系列が重視されているようで、系列の僧達が描かれている絵が多かった。
そこに違和感を感じた。 そんなことを重んじているから、親鸞の子孫が未だ重んじられているようなことになっている。 僧が血脈を重んじていたら、話にならんだろう。 およそ仏教とは、縁遠い考え方だ。

あと、南無阿弥陀仏とかの言葉に仰々しい装飾を施して、掛け軸みたいなのを仕立てているのにも、違和感を感じた。 言葉を飾り立てているのは、なんかプロパガンダの臭いがしてしまう。 悟りとは無縁な話だ。
まあ、悟りなんて欲していない教えだから、そうなるのかもしれないが。

親鸞にかかわる書物や文書が多く、そういう物に興味を持っている人にはいい展覧会かもしれない。
絵好きには、がっかりした展覧会だった。

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