「応挙は雪松、呉春は白梅。」  ~素晴らしき白梅図~ *逸翁美術館

 逸翁美術館 で 逸翁美術館開館60周年記念展、第五幕は「応挙は雪松、呉春は白梅。」 を見てきた。

 円山応挙が率いた円山派の画家達の作品、呉春に代表される四条派の作品を陳列し、同じ時代を駆け抜けた画家達が織りなす、華やかな京都画壇の魅力を紹介します、とのこと。


この美術館は初めて来る。

 円山応挙の「瀑布図」。
右の岩の味わいが雪舟のよう。
円山応挙の「嵐山春暁図」。 川から立ち上る靄で霞む嵐山の風情がいいね。

★ 円山応挙 「雪中松図屏風」

著名な応挙の「雪松図屏風」(三井記念美術館、国宝)の習作。
国宝も何度か見たことがある。 いいけど、滅茶苦茶いいとは思わない。

長沢芦雪の絵も4点ほど。 いい。

そして、
★呉春 「白梅図屏風」

右隻。 ポストカードが売り切れで買えなかった。

左隻。 ポストカード。

 絹本墨画ということだが、薄い藍染めの布に描いているそうだ。
この月夜を表す薄い藍色にとても惹かれたのだが、藍染めなのか。
上の絵では、左隻の色が実物を見た色に近い。

 左隻はさほどいいとは思わないが、右隻は素晴らしい。 右隻のポストカードが売り切れるのも納得。
月夜に浮かぶ梅に幽玄さが漂う。 墨の濃淡による遠近表現も月夜に溶け込んでいく感じが出ていて、素晴らしい。
この絵には惹かれるなあ。

 四条派では、岡本豊彦の「雪中竹雀図」が良かった。

 呉春という名前から古い時代の画家かと思っていたが、江戸時代中期の絵師(1752-1811年)である。
与謝蕪村の内弟子として入門、活躍していたが、天明の大火で焼きだされた呉春は、避難所だった五条喜雲院で、偶然にも一時応挙と同居して知り合い、その後、写生画へ転換したそうだ。そして、四条派の始祖となった。
なるほど。

 絵は50点ほどで少ないが、呉春の「白梅図屏風」は、見る価値あり。

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