雪景色の系譜展  ~西宮市大谷記念美術館~ 

 西宮市大谷記念美術館で「雪景色の系譜展」を見てきた。

 本展は、四季の中でも冬、特にそこに描かれた雪景色を取り上げて、その系譜を辿ろうとするものです。
様々な雪景色だけが一堂に会することによってみえてくる日本美術の新たな魅力を、本展で発見していただければ幸いです。とのことです。

図書館 001 (640x480)
西宮市大谷記念美術館。 本展の宣伝が何もない。 休館かと思ったよ。

 雪景色はとても好きだ。
いくつかの名画が思い出される。
葛蛇玉(かつじゃぎょく)筆《雪中松に兎・梅に鴉図屏風》。
円山応挙 「雪松図屏風」
とか。
さて、本展では、室町時代の雪舟から現代までの様々な画家の手からなる雪景色の絵画が、展示されていて、中でも水墨画が多かった。
ビッグネームの絵もちらほら見られたし、様々な画家の絵が楽しめた。

★伝雪舟 「秋冬山水図屏風」
最初の展示作品。
いきなり、オーラが凄い。
みがもう事無き名画。
この絵を最初に見せられたら、後で見る絵が霞んでしまう。
時代順で並べたんだろうけど、考えもの。
繊細な芦原と波の表現。 岩山の迫力は、強烈でいて、自然。
隣の雪村の「山水図屏風」がイマイチに感じられるほど。

★池大雅 「寒山行旅図」
岩山の表現が、何とも言えず、ダメ。
しかし、薄青く塗られた冬空と川の水が、何とも清冽。

★岡田半江 「雪景山水図」
掛け軸で、岩山と樹木をうまく左右に交互に配して、上から下に流れるようなリズム感を出している。

★北山寒厳 「雪景山水図」
雑な筆致ながら、峻険な感じがよく出ている。

抱一
★酒井抱一 「雪松図」
松の葉を緑の塊で表現、その配置が、リズム感があって、素晴らしいし、その鮮やかさを雪の白と松の幹の茶色が受け止めている。

★岸竹堂 「四季の月図 冬」
現代の山水。
中央を横切る山の稜線と写実的なカラスと木々の表現が、斬新な感覚。

★橋本関雪 「諸葛孔明」
この絵は、2013年の橋本関雪展で見たことがある。
その時は、橋本関雪の絵自体にあまりいい印象が持てなかったが、本展の絵の中で見ると、かなりよく見えた。
しんしんと降るぼたん雪。 流れる大河の雄大な感じ。 いい。

 

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