ハリルホジッチ監督が電撃解任された。
驚きだよ。
前日、デイリースポーツで記事を見た時は、ガセだろうなと思っていたんだけど、どうやら本当らしいと知った時は、心底驚いた。
しかも、後任は西野朗技術委員長と知った時は、怒った。
監督を決めるべき立場の技術委員長が、現監督を辞めさせて、自分が後任の監督に着くとは、何事だと。
この記事のタイトルを「ハリルホジッチ監督が電撃解任。西野技術委員長が後任監督。 日本代表を私物化」にしようと思ったくらいだ。
しかし、田嶋幸三会長の会見の動画あったので、それを見て、そうしなくて良かったと思ったよ。
解任理由は、「マリ戦、ウクライナ戦の試合の期間、選手とのコミュニケーションや信頼関係が薄れたこともあり、総合的に評価して、この結果になった」。勝敗の結果や、周囲の声で決めたわけではないことを強調した。
こういう部分は、内部の人間にしかわからないので、外野は何とも言えないなあ。
確かに、「裏へ蹴れの指示が多くて、自分らの判断でパスを繋ぐことができない雰囲気があった」というような選手コメントがちらほら出てるなあ、とは思っていたんだが。
それが、深刻なまでになっていたんだなあ、と類推するしかない。
本田や香川や岡崎のような外された選手の不満で監督解任なら許されることではないが、不信感が選手全体に広がっていたのかもしれない。
ハリルホジッチ監督は、自分の思い通りにすることへの抵抗があまり少なくて、日本人を従順と考えて、日本人の抵抗を軽視していたのかもしれない。 自分の思い通りにすることへの説明や説得を少し怠っていたのかもしれないな。
真相はわからないが。
少し強権的な監督だからこそ、日本のサッカーを変える力があったと思うし、信念がある努力を惜しまない監督だから、どのような結果になるか分からないが、ハリルホジッチ監督でロシアWCを見てみたかった。
ハリルホジッチ監督が一番力を発揮する、最後の合宿でのトレーニングによる連携向上、対戦相手を考えての戦略が今の日本代表でどう表現されるのか、とても楽しみだったのになあ。
西野監督では、そんなことは期待できない。
それでも、選手との信頼関係が薄れたというのなら、そんなことも期待できないとは思う。
しかしなあ、ドイツWCとブラジルWCでの大きな期待とショックな敗戦で、何か違うことにチャレンジしなくては、というのが今回のWCのテーマだったと思う。 それがハリルホジッチ監督だった。
だから、最後までやって欲しかったなあ。 結果が悪かったとしても。
それはそれで、やっぱり日本はつなぐサッカーでなければダメなんだ、そこで世界一になるんだという覚悟を持つことになると思う。
最後までやらないと、そういう覚悟は持てないと思う。
さて、後任の西野監督。
選考理由は、「W杯まで、あと2カ月しかない。内部でこのチームを見てきた人にお願いした」
「西野技術委員長は、必死になってハリルホジッチ監督をサポートしていた。それを見ていたからこそ彼に頼んだ。内部で足を引っ張るような、そういうことはない」と断言していた。
この言葉に嘘はない、という印象を受けた。
監督交代を決めたのは、田嶋会長一人の決断で、西野技術委員長は絡んでいないということだな。
監督解任の議論には絡んでいるだろうが、賛成したかどうかはわからないし、後任の選定には勿論絡んでいないということだろうな。
田嶋会長一人の決断もどうかと思うが、責任を持って思い切った決断をしたということだな。
副会長の村井さんや岩上さんとどれくらい相談したか会見からは聞き取れなかったが、そへんははっきりさせておいた方がいいと思うよ。
さて、西野監督だが、ガンバの監督をやっていた頃なら、適任だったかもしれないが、ガンバの監督後は、神戸・名古屋と成績は良くなかった。
ここ2年は、監督を離れ技術委員長に就任していた。
自分は、盛りを過ぎた監督だと思っている。
だから、西野監督には期待できないなあ。 西野監督なら手倉森監督の方がいいと思う。
選手のモティベーションを高める手腕は、手倉森監督にはある。
ただ、リオ五輪の采配を見て、個々の試合の戦術や選手起用はダメだと思った。 育成型の監督だな。
しかし、リオ五輪の失敗を生かして、今は良くなっているかもしれない。
そこに賭けて、手倉森監督をおす。自分なら。
最後の方で、フリーランスの「ろくは?」という人が人を貶めようという糞みたいな質問をしていた。
それに対して、田嶋会長は、まず「ありがとうございます」と切り出していたのには、感心した。
多分会長はむかっと来たと思う。
その時には、まず「ありがとうございます」と答えることによって、気を落ち着けているんだと思う。
流石だなあ、と思った。
AFCの理事でもあるので、プレゼンは鍛えられているんだろう。
ほぼ、完璧な記者会見だった。
気持ちの感じとれる発言で、説得力があった。
彼は、なかなかの人材だな。