草間彌生展    国立国際美術館

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「心から生命の賛歌をうたいあげたい」  「朝のめざめ」

 国立国際美術館で草間彌生展を見た(2012/01/09)。初めて彼女の絵を見た。国際的に有名なようだが、水玉の変な絵ばかり描いている、変なかっこうのおばさん、というイメージで見たいとも思っていなかったのだが、朝日新聞の私の履歴書で、自分は小さい頃から水玉の夢に悩まされていたという話を書いていて、水玉の絵は彼女にとって”心の叫び”のような物なのか、と思って興味を持った。
 さて、展覧会であるが、「愛はとこしえ」のコーナー、大部屋の四方の壁に大きな絵が飾られている。悪くはないが、何となく見ていく。次に、「わが永遠の魂」のコーナー、ここの絵が一番良かった。正方形のキャンバスに、アメーバのような原始生命体のような形象が描かれている作品群である。好きになる絵ではないが、確かにオリジナルな世界だ、と言える絵たちである。「静かな朝のめざめ」、正方形のキャンバスの4辺をジャングルを連想させる黒い草むらが取り囲んでいる。全体が濃い青で塗られ、ジャングルの夜を連想させる。黒い草むらの少し内側に赤い玉が描かれている。離れてじっと見ていると、眼の錯覚で、赤い球が浮かんで見えてくる。絵の中央には、レンガ作りの崩れた小屋のような物が描かれている。何かの心象風景なのだろうが、印象に残る絵である。「わが永遠の魂」のコーナーの絵たちは、描かれた形象も面白いし、原色の色使いも眼に残る物がある。つまらない想像の産物ではなく、実際の彼女の心に根ざした絵という感じがする。これらの絵を見て、いろいろと彼女の心や彼女の意図を考えたいとも思わなかったが、見ていて面白かった。途中で、「チューリップに愛をこめて、永遠に祈る」の部屋があった。真っ白と赤い水玉の部屋に、真っ白と赤い水玉とチューリップのオブジェが置かれていた。えぐいくらいの異空間を作り出していた。

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