専門家がGK川島へのバッシングが異常と言うが・・・。

 GK川島永嗣が、インターネット上で「ミス多すぎ」「川島出すな」と批判にさらされ続けたことに、警鐘を鳴らす記事「「GKやる子供消えます」 川島永嗣へのW杯異常バッシング、専門家警鐘」を読んだ。
ツイッターやブログでGK情報の発信を続ける元U-20ホンジュラス代表GKコーチ・山野陽嗣氏という人の記事。
これが、なかなか良かった。

GK川島には、批判された失点シーンが3つあった。グループリーグ(GL)第1戦・コロンビア戦の1点、第2戦・セネガル戦の1点目、決勝トーナメント1回戦・ベルギー戦の1点目。
「川島の完全なミスと言っていいのは、セネガル戦の1点目だけだと考えています」
「少しでもファンブルすれば、マネに仕留められてしまう状況を考慮すると、まずボールをゴールから遠ざけるために、キャッチングでなくパンチングを選んだ判断は理解できるのです。しかしボールの中心に当てられず、目の前に落としてしまった。実際のパンチングは擁護できません」
・コロンビア戦のFKの失点「状況を考慮すべき」
「抜かれないと思っていた壁の下にシュートが来た。それにあのコースのシュートは、壁でGKからは見えません。実際、川島はシュートが壁を抜けてから反応しました。セーブするのは困難でしょう。しかし、諦めずに食らいつきました。もしかしたら、反応しなかった方が、あるいは全く手にボールを当てられなかった方が、バッシングも少なかったかもしれません。諦めずに最後まで食らいついたから、逆に批判されるというのは、非常に酷です」
・ベルギー戦のヘディング、ニアポスト付近に立った川島
『あの状況ではニアに来ない。最初からファーへの折り返しに備えるべきだった』と言う人もいます。ですが、『来ない』と言える根拠が判然としません。予想の難しいゴールでもありました(編注:距離は18.6メートル。ヘディング弾としてW杯史上最長)。ですから、失点はしましたが、防ぐのは困難なゴールであり、川島のポジショニングや対応がそこまで批判されるものとは思えません」
というプレー解説で、

 「悪いプレーやミスがあった時に厳しい目で論じるのは、もちろん重要です。同時に、良いプレーをした時は最大限に称賛する。感情的にではなく、根拠をもって冷静に評価していくことが必要です。
  メディアは、失点したら問答無用で採点を低くするのではなく、ミスが失点に直結する責任あるポジションだからこそ、活躍した時は英雄になれるような土壌をつくっていってほしい。テレビも、ゴールシーンだけでなくGKのファインプレーまで流してやる。そういった積み重ねがあれば、『GKをやりたい』と思う人が増えてくるのではないかと思います」
という結論。

GK川島のプレーについて、これほど専門家が書いてくれると、わかりやすいと思った。
同時に、あんたみたいな専門家が、もっとコロンビア戦後とかに記事を書いてくれていたら良かったのだ、と思った。
そうすれば、良識あるファンは、川島擁護の声を上げるよ。
(ちなみに、自分は川島のプレーで悪いと書いたのは、同じセネガル戦のプレーだけ。
ただし、川島は変えるべきと書いた。)

しかし、さらにこう思った。
サッカー解説者(引退したプレーヤー)は、決して選手のプレーが悪いとは言わない。
褒めることはあっても、悪いとは言わない。
だから、ファンが素人判断で、選手の悪いプレーをあれこれ言うのだ。
海外では過剰なまでに選手が批判されるが、逆に日本では解説において選手は全く批判されない。
これは、日本の悪しきスポーツ文化だ。
プロが選手のプレーを批評しないので、ファンが素人判断でやるのだ。
プロが悪いプレーを悪いとちゃんと解説していれば、ファンの素人判断の入る余地はあまりないだろう。
だから、川島の異常バッシングを招いたのは、あなたたちだと言いたい。
DAZNのサッカー専門番組でさえ、悪いプレーを悪いとちゃんと解説していないんだから。
裏であいつのあのプレーは酷かったと普段言っているのを、TVの前で言うだけだけどね。
これについては、以前にも「大一番の試合の解説を任された、戸田 和幸」と言う記事で書いたことがある。
戸田さんには、悪いプレーを悪いと言える素質があると思った。
それでも言わないけどね。
とにかく、サッカー解説者(引退したプレーヤー)が悪いプレーを悪いと言えない限り、ファンがサッカーを見る眼は決して向上しない。 ひいては、日本のサッカーレベルも上がらないだろう。

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