ハリルホジッチの会見があった。
スカパーで無料放送していたので、録画して見た。
最初、延々と自分が監督としてしたことを長々と語りだした時には、うんざりした。
そんなことはわかっているんだよ。
おまけに、通訳がサッカー素人で分かりにくい。
早送りして見たよ。
一体何が言いたかったんだという会見だった。
ただ、メディアの質問に答える中で、少し言いたいことがわかってきた。
ポイントは二つ。
・解任理由とされる選手とのコミュニケーションについても、問題ないと認識していた。
いったい誰と問題があったんだ?
・問題があったとしたら、西野技術委員長か田嶋会長がはっきり言ってくれれば、良かった。誰も何も教えてくれなかった。
「私をうんざりするような状況に追いやって、ゴミ箱に捨てたような状況。私の誇りを傷つけることとは戦わないといけない」と事前に語っていただけに、いろいろと暴露する修羅場になるかなと思ったけど、自重したようだ。
全体的に冷静で日本サッカー協会は別として、日本には敬意を示した。
嫌いになるかもと心配しただけに良かったのだが、田嶋会長とのやり取りはもっと語って欲しかったかな。
この会見だと、コミュニケーションに問題があったのは、選手たちとではなく、西野技術委員長と田嶋会長に対してあったというのが、結論かな。
結局、問題があったのは、西野技術委員長と田嶋会長だと思う。
会見では、西野技術委員長は、ハリルに少し問題があると言いかけたが、・・・?となり、はっきりわからなかった。
深夜にコロンビア戦を見に行ったので、時間が取れなかった、ということなのかな。
浮き彫りになったのは、日本サッカー協会の代表監督選びと評価・解任のやり方だな。
本来、技術委員が代表監督選びと評価を実行し、最後の続投解任を会長が決断するというのが、日本サッカー協会の組織だと思っていた。
以前は、原技術委員長の元、技術委員の霜田 正浩が日本代表監督選定及び交渉に奔走していた。
実質、霜田 正浩がザッケローニ、アギーレ、ハリルホジッチと日本代表監督を選んできたことになる。
調べてみれば、霜田 正浩は、凄い人材だった。
ブラジル留学、サントスFC、フジタ工業、京都紫光クラブ、横河電機と選手としてプレーし、英語、ポルトガル語、フランス語に堪能、スペイン語、イタリア語も簡単な会話程度ならば可能、というのは、凄い。
そして、今レノファ山口FCの監督に就任して、好成績を収めている。
語学堪能で、対外交渉ができて、監督としても有能と、スーパーマンみたいな人だな。 こんな人は彼以外にいないだろう。
その当時の会長は、大仁 邦彌。
大仁は、無能だと思っていたけど、有能な部下に仕事をまかせて、口出ししなかったのは、良かったな。
彼が会長だったから、監督選びに関する仕事は、完全に技術委員の専権事項になっていたのかもしれない。
監督人事に口を出した会長は、長沼 健と川淵 三郎くらいではなかろうか。
問題は、田嶋が選挙で原を破って、会長になった所から始まった。
田嶋は、会長になって、原・霜田を実質追い出した。
そして、監督まで追い出したことになる。 やりすぎだろう。
ただ、田嶋会長はこの間の会見を見て、プレゼンテーション力はあるし、アジアサッカー連盟(AFC)の理事でもある。
有能なのだ。 このポストを日本が持っているのはとても大事。
だから、安易な田嶋解任論には反対だ。
会長は政治力があればいい。
だから、監督人事は、技術委員に任せるべき。
その技術委員が下した判断に会長が最終決断を下せばいいのだ。
そうはっきりと役割分担すべき。
今回は、技術委員長が何の判断もせず、田嶋会長が勝手に解任を決断したように見える。
それは、ダメだろう。
おまけに、監督の仕事を評価すべき技術委員長が後任監督になってしまった。
悪く言えば、西野技術委員長が自分が監督になりたくて、ハリル下げを行ったと勘繰られても文句は言えない。
さらに言えば、監督を選んだ技術委員達が、選んだ監督を評価するのも難しい所はある。
自分らで選んだ監督は、やっぱりダメでしたとは、言いにくいもんね。
だから、監督評価機関は別途必要かもしれない。
そこまで、人はさけないと言われそうだが。
案外、難しいね。
今回のハリル解任劇については、いろいろ書きたいことがあるので、まだまだ書こうと思う。