日本2-1スペイン（WC第3節）の後半の戦術・プレー分析を前半に引き続きやってみたい。
後半0分、久保⇒堂安、長友⇒三笘の選手交代で攻撃に出た。
いきなり、後半3分、前線が連動したプレスを仕掛けた。
前線から、前田・鎌田がプレスを仕掛け、ボールを右SBに追いやると、三苫と鎌田で挟み込んだ。 しかし、カルバハルはうまく鎌田の股下を通して、ロドリにボールを戻す。 そこに三苫が連続して追いかけ、ロドリはGKにボールを戻すと、そこに前田が強烈に３度追いして、GKは浮き球でバルデにパス。 そこに伊東が思い切ってプレスをかけて、ヘディングでボールを落とした。
それを堂安が巧みなトラップで拾って、ボールタッチでコースを作って、強烈なシュートを決めた。
これは、見事な連動したプレスからのショートカウンターだった。
GKを含めた相手5人に対して、5人でプレスを仕掛けた。 それで奪い切った。 スペインもさすがにボールをうまく繋いでいたと思うけどね。 浮き球のパスは緩いし、トラップが難しいから奪いどころになる。
守田と田中も空いている2人に対して、プレスにいける位置にいたから、前にスペインが4人フリーでいるんだよね。 このプレスを掻い潜られていたら、3対4でカウンターを仕掛けられ、やられていたかもしれない。 相手はGKを含めてボールを回しているので、1人多いことになるから。
伊東がオルモのマークを捨てて、バルデにプレスに行ったのが、好判断だった。
全体カメラで見ると、このプレスが美しいプレスだということがわかる。
前田の最初のGKのプレスなんかトーレスへのコースを切ってから急激に方向転換してGKにプレスしに行ってるからねえ。 前田のプレスはいいわ。
そして、続けざまに、後半6分
権田のロングキックを伊東がDFと対面しながら1発でトラップ、内に少し切れ込んで、田中へパス、田中が堂安にパスして、堂安は素早くグラウンダーのクロス、突っ込んだ前田が惜しくも間に合わなかったが、かなり後ろから猛烈に走り込んでいた三苫がスライディングしながらアウトで、折り返すと、ゴール前に詰めていた田中がそのボールを押し込んだ。
6人で仕掛けた見事なゴールだった。 3-4-2-1で攻撃できるマックスの人数だったな。
この2ゴールに関しては、如何に日本が積極的に攻めたかがわかるゴールだった。
1発目はショートカウンターから、2発目はロングキックからで、スペインは少し虚を突かれたかもしれない。
この後日本は、後半23分、鎌田⇒冨安で、冨安を右WG、伊東を左シャドーにして、鉄壁になった。
日本は5-4-1で、スペインは4-1-5で。
冨安がスペインの左サイドをシャットアウトしたからなあ。
しかし、日本も時々、効果的なカウンターを仕掛けれていたから、スペインもノーガードという訳には行かなかった。
この固い守備に対しても、スペインは後半45分
2つのダイレクトパスからワンツーで抜け出したオルモがこれもダイレクトでシュートを放つが、権田がセーブした。 見事な連携だったけどね。 あれで、最後のシュートも隅に蹴れたら凄いんだが。
戦術的には、最初から5バックにしたのは正解だな。
スペインが押し込めば、4-1-5になることを分析出来ていただろうから、当然のシステムになる。
自分は、ドイツ戦と同じように前半4バックから後半5バックにした方が、変化があって点を取りやすいと思ったけど、最初から5バックにした方が守りが固いから、こっちの方がいいな。
そして、後半鬼プレスから電光石火のショートカウンターで点を取る。 見事な作戦だったね。
連動したプレスは守備というより、攻撃のひとつだね。
攻撃と考えなければならないと思うよ。
森保監督は、攻撃を構築できてないと言われてるけど、連動したプレスは攻撃だから、重要な攻撃方法をひとつ構築したとは言えよう。
あと、スペインを見て思うのは、ボールをほとんどDF陣4人+GKで回している。 そして、結構きつい日本のプレスを受けても、慌てず何とか繋いでいる。 凄い技術だよ。 チームとしてボールを握るには、DF陣がどれだけプレスに晒されてもボールを回せるかにかかっている。 戦術だけではないよ。
攻撃の選手がボールを握るべきと言っているが、それにはDF陣がどれだけ技術アップ出来るかだね。
守備能力を保ちながら。 あんたらが守って回してみれば、と言いたくもなるな。
それに攻撃の選手は、ボールを奪っても即時奪回されていて、ボールを保持出来てないな。 そこは、技術だけでなく、戦術もあるんだろうけど。 そこを改善しなくてはと言ってるのかな？