第66回 NHK杯テレビ将棋トーナメントの決勝が放映された。
NHK杯は良く見てる。
一番印象に残っているのは、第38回(1988年度)で羽生さんが大山康晴、加藤一二三、谷川浩司、中原誠と、当時現役の名人経験者4人をすべて破って優勝した時で、加藤一二三九段を伝説の指し手▲5二銀を破った将棋だ。
もう30年になるのか。 ずっと見ていたわけではないが、長い。
さて、決勝は佐藤康光 九段・会長と佐藤和俊 六段。
佐藤康光 九段は、会長になりたてで、三浦九段冤罪事件で心労の多い中、よく勝ち上がってきたという印象。
準決勝で佐藤天彦名人相手に角頭の歩をつくという、相変わらずの変態将棋で、いや魅せる将棋で勝ったのが、面白かった。
一方、佐藤和俊 六段は、準々決勝で羽生三冠に勝っている。
とても意外な決勝進出。 この人の将棋は記憶の中では、初めて見たが、最終盤がとても強い印象。
解説が、羽生三冠で、見逃せない将棋になった。
羽生さんの解説はとても久しぶりじゃないかな。
解説される棋士も緊張するというからなあ。
将棋は、佐藤和俊 六段が戦いを辞さない手を指したために、序盤から激しい将棋になった。
感想戦で、和俊 六段が「やっちゃったかと思った」と言ってたけど、30分くらいで将棋が終わるんじゃないかと思った。
しかし、そこから難しい力将棋の中、均衡が保たれていて、とても見ていて面白い将棋になった。
最後は、力将棋が大得意の康光 九段・会長が勝った。
9年ぶり3回目の優勝。
なぜこんな記事を書く気になったかというと、康光 九段・会長がインタビューで少し涙ぐんでいるように見えたからだ。
タイトル獲得合計13期の強者なのに、NHK杯で涙ぐむのか、と思った。
よっぽど、会長の仕事の心労が多いのだろう。 それでも優勝できたのが、よっぽど嬉しかったのか。
そして、最後のアップ顔で、とても嬉しそうな表情の中に、少しどや顔が混じっているのが面白かった。