漫勉は、漫画家たちの仕事場に密着取材、現場の映像を撮影して、漫画家・浦沢直樹がその漫画家と一緒にその映像を見ながら、対談するという画期的な番組だ。
番組があるのを知っていれば見るけど、大概知らずに見逃す。
今回は、たまたま諸星大二郎の回があるのを知り、見た。
諸星大二郎は、期待したけど、つまらなかった。
諸星大二郎は、基本しゃべらないし、本音を語らなかったからねえ。
さて、その流れで「惣領冬実」の回を見た。
「惣領冬実」、聞いたことある名前だけど、漫画は読んだことない。
少女漫画家だったけど、青年漫画に転身して、『チェーザレ 破壊の創造者』で一躍力量を評価されているとのこと。
浦沢とは、同世代だそうな。
彼女のしゃべりっぷりが面白かった。
すぱっと物事を語って、てらいがない。 しかし、自信は感じられる。
こりゃあ、男だなと思った。
のっけから、なんで漫画を描こうと思ったのですか、という質問に、漫画が一番稼ぐコストパフォーマンスが良かったからとすぱっと答えていた。 全く素直に。 浦沢が鼻白んでいたね。 最初、学校の先生をやっていたみたいだね。
少女漫画は、髪の毛を描くのが一番大事とか、所々へ~そうなんだという話もありーの、で
『チェーザレ』は、ルネッサンス期の貴族の話。 その時代を描くのに相当な描き込みをしている。
それで、漫画を描くのみの、引きこもり生活をしていて、スーパーに2回、動物病院に1回しか行かない年もあったとか。
彼女は、元々は絵が好きで東京芸大を目指していて、失敗したという経歴がある。
最後に、こう語る。
私は、印象派が一番好きなんですよ。 ルネッサンスがあって、その上にバロックがあって、印象派の連中は、アカデミックをぶっ壊せという連中なんですよ。 まず、アカデミックを抑えておいてから、ぶち壊さないと。
今、アカデミックをやっている所です。 これから、ぶち壊すんです。と。
笑ったなあ。 壮大な話だな。
見ていると、ルネッサンスを描き終わらない内に死んでしまいそうなのになあ。
ちょっと、『チェーザレ』を読んでみたくなった。