羽生二冠、竜王挑戦決定。 永世七冠へ。

 渡辺明竜王への挑戦権をかけた第30期竜王戦の挑戦者決定三番勝負、1勝1敗で迎えた第3局、羽生二冠が松尾歩八段に勝って、挑戦権を獲得した。

 ニコニコで生放送していた。
夕方以降は追い出されては、しばらく待ってからログインするのを、頻繁に繰り返して見ていた。
追い出された直後は、竜王戦のサイトで棋譜だけを見ていた。 それでも楽しめた。
羽生二冠の後手で、横歩取りの激しい将棋になった。
羽生二冠が攻められて、羽生陣は押し潰されそうに見えたんだけど、終盤、羽生二冠が予想外の手を何度か指して、羽生さんらしい将棋になった。

この△3三桂打つ、が素晴らしかった。 歩の前に打ってるからタダなんだけど、取られたら、2一の桂が跳ねて、銀飛車の両取りになる。
それでも苦し気に見えたけど、6四香打つとかもいい切り返しになった。
いい手が多くて、羽生二冠復活という将棋だった。
松尾八段も強気の指し手で、大熱戦となった。 

 この第3局の前の第二局も熱戦で、羽生二冠が大分優勢だったのを、松尾八段が終盤妙手を指して、大逆転したていた。 さらに、
王位戦第四局、菅井七段に負け。
竜王戦の挑戦者決定戦第二局、松尾八段に負け。
王位戦第五局、菅井七段に負けて、王位を失冠。 完敗のシリーズだった。
王座戦第一局、中村太一六段に負け。
と4連敗中で、危なかった。

 特に、9/5に行われた中村太一戦は、衝撃的な逆転負けだった。
羽生2冠の猛攻を中村六段が猛烈な粘りで凌いでいた。 そして、1分将棋になった。
終了間際には、残り10秒で指そうとした手がタダで取られるのに気付いて、慌てて違う手を指したのは、びっくりした。 これはヤバイぞと思っていたら、反撃に会い、

最後、この局面で後手羽生二冠が投了した。
自分が見ても、2三に桂馬を打ったら、どうなるのかな、と思って見ていたんだが、イキナリ羽生二冠が投了したのには驚いた。 数手前にこの形はダメだと読んでいたので、打つ手がなくて、指さなかったんではないかという解説だった。 局後の検討では、千日手になるということだったみたい。 深夜に最後の最後、千日手になるなんて、恐ろしい話だ。 1分将棋が大分続いていて、極限の読みが続いていたから、こうなったとしてもしょうがないんだろうけど、羽生二冠はこういう戦いをいつも制してきたからねえ。
ショックだった。

 そして、この疲労困憊の逆転負けから中2日でのこの松尾八段戦だった。
熱戦だったけど、疲れやショックの影響など微塵も感じられない、熱戦を勝つ将棋だった。
恐るべき精神力と将棋体力だな。
まだまだ、そう簡単には、衰えないぞというのを感じた。

 さあ、これで永世竜王への挑戦が決まった。 竜王になれば、永世七冠。
9年前に、渡辺竜王と、どちらが勝っても永世竜王になるという勝負を、3連勝4連敗という羽生神話が崩れるような負けを喫した。 それから、2年後に挑戦して、また負けている。
今度で3回目の挑戦だ。 今回逃すとさすがに無理だろう。
ラストチャンスと言える。
やってくれるんじゃないかな。 そして、退治して欲しいね。

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