藤井聡太七段が「第49期新人王戦決勝三番勝負」第2局で勝って、新人王のタイトルを獲得した。
七段になったので、今後新人王戦には出れないので、これが最後のチャンスだった。 そこを確実に物にした。
それはそれとして、この記事を読んだ時はひっくり返った。
ニコニコで、ライトノベル『りゅうおうのおしごと!』作者である白鳥士郎氏による叡王戦本戦出場棋士24人へのインタビュー記事を掲載している。 この連載記事は各棋士の個性が知れてとても面白いので、将棋ファンにはオススメ。
1回目が『なぜ藤井聡太はフィクションを超えたのか?』
驚愕したのは、その記事の中でのこの部分。 長いけど、引用させてもらう。
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――棋士はどなたも『脳内将棋盤』を持っておられます。でも藤井先生は、あまり盤面を思い浮かべておられる感じではないと、以前、記事で拝見したのですが。
藤井「はい」
――では、対局中はどんな感じで考えらおられるのですか? 棋譜で思考している?
藤井「ん……それは、自分でもよくわからないというか。んー…………」
――盤は思い浮かべない?
藤井「まあ、盤は(対局中は)目の前にあるわけですので」
――詰将棋を解くときなどはどうです?
藤井「詰将棋は読みだけなので、盤面を思い浮かべるという感じでは……」
――えっ? ……私のような素人だと、詰将棋を解くときこそ将棋盤を思い浮かべるというか……むしろ手元に盤駒を置いていないと解けないくらいなんですけど……。
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この後、行方九段にこのことについて聞いている。
――藤井先生は『詰将棋は読みだけなので、盤は必要ない』っておっしゃってるんですけど、その点はいかがですか?
行方「ああ。頭の盤で考えるってことですか」
――いえ。頭にも盤がないみたいで。
行方「へ?」
――あんまりいらないみたいです。
行方「ば、盤面を思い浮かべないってことなんですか? そ、そうなんスか?」
――盤は目の前にあるからって。詰将棋は読みだけなので、もっといらないみたいです。『読みだけ』ってどういう意味なんですか?
行方「でも、さ、さすがに頭の中に盤は必要ですよね!?」
――ですよね!? 普通は盤が必要だと思うんですよ。だから話が噛み合わなくて……行方先生は頭に盤を思い浮かべてますか?
行方「(詰将棋の問題の)盤面を焼き付けて、頭の中で動かして考えるって感じですけど……」
行方「えええええ~…………ちょっと……違う世界なのかもしれませんね……」
行方「私は今でも詰将棋をやってますし、今後、長く戦っていくために詰将棋のトレーニングは絶対必要だと思っていますが…………多分、藤井くんには何かがあるんだと思います。全然意味がわからなかったですけど……」
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自分もへたっぴだけど、詰将棋を解くとき、頭の中で盤のコマを動かしている。
というか、目の前の盤や譜面を見ながら、その中の駒を頭の中で動かしている。
目の前に何もないと、頭の中に盤を思い浮かべるのは、ほとんど無理かな。
藤井七段は、盤面を思い浮かべずに、解いているという。
一体、どうやって解いているんだ?
想像もつかない。
一流棋士の行方九段も「藤井くんには何かがあるんだと思います。全然意味がわからなかったですけど……」と、述べている。
あの羽生竜王でさえ、対局の場合だけど、盤面を4つに区分して憶えて、頭の中の駒を動かしていると何かで読んだ。
これも凄い話だけどね。 どうやって4区分を頭の中でつなげるんだという話。
この話は、全棋士驚愕していると思うよ。
新人類誕生とも言うべき話。 ただの天才ではなく、根本から違っていたということだから。
あんな尋常ではない記録を成し遂げているのは、何か違う物があるということなんだろうねえ。
しかし、それが盤面を思い浮かべていないとは。
もしかして、盤面を記号に置き換えて、数式を解くみたいに解いているんじゃないだろうなあ。
どっちにしろ想像がつかない。
白鳥さんは、この謎を問い詰めないとダメだろう。
いずれ、誰かが突っ込むとは思うけど。
ただ、藤井七段自身が「ん……それは、自分でもよくわからないというか。んー…………」と答えているからなあ。
本人にも分からないとは、どういうことだ?
隠しているとは思えないし。
やっぱり、藤井七段は面白い。 今後も注目だね。