羽生名人、佐藤天彦八段に1-4で敗れて、名人位を失う。

 第74期名人戦七番勝負の第5局は31日、佐藤天彦八段が羽生善治名人に勝ち、4勝1敗で初の名人位を獲得した。
羽生名人が、第1局を勝ってから4連敗した。
驚きの結果だ。
2011年に渡辺明に王位を失冠して以来、タイトルを12連続防衛中(奪冠、挑戦は除く)だっただけに、負けるイメージがなかったんだが。
特に名人位だけは、簡単には手放さないんではないかと思っていた。
第2局で、羽生名人が詰みを見逃して、詰まされて、負けた(記事)。
終わってみると、あれが大きかったということになるのだが、まだ十分盛り返せたはずで、とても淡泊だったという印象が強い。
第5局も、派手な将棋だったが、最後は一方的に負けた。
負ければ終わりなのに淡泊すぎる。
最近、序盤で悪くして、そのままあっさり負けてしまう将棋が増えてきたような気がする。
羽生名人が名人戦で若手に負けた意味は大きいと思う。
精神的に築かれていた障壁が少しとりのぞかれたと思う。
もし、次の永瀬六段との棋聖戦に羽生3冠が敗れるようなことがあれば、時代が動くことになる。
とは言っても、過去幾つもの修羅場を経験してきてるから、そんなに簡単に負けるとも思えないが。

 一方、佐藤天彦新名人は、大活躍。
ただ、正統派の将棋とは言え、横歩取りと角換わりの2戦法に特化しているので、皆に研究されるようになれば、苦戦するようになるだろう。
長く大活躍できるかと言えば疑問だ。

 渡辺竜王と仲がいい連中、天彦新名人・広瀬九段・村山慈明七段の活躍が目立ってきた。
世代が同じとは言えないけど、羽生世代から渡辺グループへの世代交代が本格化してきたと言えるかもしれない。
まだ、羽生3冠+郷田王将=4、渡辺2冠+天彦名人=3で、羽生世代リードだけど。
羽生3冠は、これからが正念場のような気がする。
第一人者の地位を保てるか、渡辺竜王や天彦新名人に奪われてしまうのか、もう45才なだけに心配だ。
もっとも、優勝すればコンピューターと対戦する叡王戦への参加を決めた羽生3冠。
もし、優勝してコンピューターと戦えば、勝敗はわからないが、また脱皮して強くなるんじゃないかと期待している。

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