大阪の夏はクマゼミばかりに。 温暖化のせいではなかった。

 大阪では、子供の頃、夏と言えば、茶色いアブラゼミばかりだった。
透明な羽根と橙色の胸板を持つクマゼミは、貴重で、美しく、取れたら嬉しかったものだ。
昭和50年代後半を境にクマゼミが逆転したそうだ。
今やクマゼミばかり。 東京では、アブラゼミの方が多いそうだ。
これは、温暖化のせいばかりだと思っていた。
 
 2011年には、府全体でクマゼミが74%、アブラゼミが24%、その他2%。
大阪市内に限ると、クマゼミが98%、アブラゼミが2%、その他ゼロだった。
ところが、緑の多い万博記念公園では、アブラゼミ72・1~77・6%▽クマゼミ11・5~16・8%▽ニイニイゼミ5・3~15・4%▽ツクツクボウシ0・2~1・0%。
逆にアブラゼミが多くなった。

 二つ理由が考えられているそうだ。
一つは、近年のヒートアイランド現象による都市部の気温上昇で、孵化までのスピードが早まり、特にクマゼミは梅雨の時期とも重なるようになった。 
孵化の際、幼虫は木から落ちて地中にもぐるが、この移動の間、アリなどの天敵に食べられる危険性が高い。逆に雨の日は比較的安全という。そのためクマゼミの孵化が梅雨時期と重なったことで、生存率が高まった可能性が考えられる、と。

 もう一つの方が説得力があるかな。
クマゼミの幼虫の特技。
固い土ではアブラゼミなどはなかなか掘り進めなかったが、クマゼミは難なく堀り進む。
「大阪の市街地は気温の上昇や土壌の乾燥によって、クマゼミにとって有利な環境に変わり、近年の独占状況をつくり出したのではないか」と。

 緑が多くて、柔らかい土の多い万博緑地公園では、アブラゼミが多い。
また、大阪市は東京23区と比べ、面積全体に占める緑の割合が3分の2ほどに過ぎず、都市部の中でも極端に緑が少ないそうだ。
なるほど。 原因と結果が一致しているね。
ヒートアイランド現象で土が固くなった場所が増えて、クマゼミが多くなったということ。
そういうことか。 コンクリートに覆われた所が増えたからねえ。
温暖化が原因ではなかった。

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