奈良の明日香村のすぐ南にある高取山に登った帰りに、奈良を東西に横断する大和高田バイパスを西へ走っていた。
葛城山に陽が沈もうとしている。
絹雲が、好き勝手に刷毛で掃いたように、浮かんでいる。
車のスピードを落として走りながら、美しいなあと思って見ていると、雲が虹色に輝いているではないか。
助手席のシートにカメラをたまたま置いていたので、写真を撮った。
大体で写したのだけど、まあまあ撮れてる。
ネットで「虹雲」で調べると、「彩雲」と言うらしい。
彩雲(さいうん)は、太陽の近くを通りかかった雲が、緑や赤に彩られる現象である。
昔から瑞相と一つであるとされ、これが現れることは吉兆とされるが、実際はありふれた気象現象である。
彩雲は、仏教においては「五色の彩雲」と呼ばれる。
西方極楽浄土から阿弥陀如来が菩薩を随えて、五色の雲に載ってやってくる来迎図などにも描かれており、瑞相の一つとしても捉えられていた。
葛城山のすぐ北に有名な二上山がある。
二上山は古代から聖なる山、あの世とこの世の境目として信仰の対象となっていたといわれています。
「往生要集」を著した恵心僧都源信は、香芝に生まれ、二上山の落日を見たことから、阿弥陀如来が大衆を救うためにお迎えに来られるという来迎思想を感得したと伝えられています。
(右のふたコブの山が、二上山。その左につならるのが金剛山脈でそこに葛城山がある。)
言いたいのは、聖なる山、二上山の近くで夕日の中、阿弥陀如来が載ってやってくる彩雲を見たということである。
これ以上の瑞相はないと思う。
これで、阿弥陀如来を見てたら、凄いんだが。
実は高取山の麓の壺阪寺で、仏さんを見ているんだけど。
ただ、彩雲は、いわゆる“地震雲”として例に挙げられることもあるらしいので、”吉兆”となるのか、地震が起こるのか、果たしてどうなることやら。