人工知能AIが世界を変える。 NHK「羽生善治・人工知能を探る」を見て。

 5月15日(日)の、羽生善治名人が番組ナビゲーターを担当した『NHKスペシャル』「天使か悪魔か 羽生善治・人工知能を探る」を見た。

 ネットで人工知能AIに関するニュースを断片的に見てたから、少しは知ってるつもりだったけど、この番組を見てその進歩の度合と応用の広さに驚いた。
さすが、NHKはわかりやすいインパクトのある番組を作ってくる。

 最近の人工知能AIは、ディープラーニングの技術用いていて、AI自身が経験を通して、自己学習をする。
多層構造のニューラルネットワークを用いていて、人に近い思考回路を形成、もう人間と同じやり方をやるというものだ。
コンピューターだから、人より早く正確にできるから、鬼に金棒だ。

 わかりやすい例が、相手ボールを跳ね返して、相手ブロックを壊して高得点を狙うテレビゲームをAIがやったものだった。
命令は、「高得点を取れ」だけで、やり方の指示はなし。 そういうプログラミング。
最初は、ボールを跳ね返すことすらできないが、たまたまボールを跳ね返して、点をとることを経験したら、加速度的に得点をアップし出して、さらには、様々な点を取るテクニックを習得していった。
まさに、自己学習。 何も知らない所から、経験を通して学習していっている。
人間と同じだ。
こういうことなのか、と根本が理解できた。

 あとは、より複雑なことをするだけだ。
自動運転、碁ソフト、医療画像解析ソフト、会話ロボット等々。
一番驚いたのは、シンガポール政府のAIの徹底利用で、例えば、道路の混雑状況から、青信号の時間を自動で調節する交通システムを採用していた。
もっと凄いのは、住人の部屋での位置を観察して、異常の有無の観察とか、個人のプライベートを無視した徹底的なデータ習得とその利用を図ろうとしていることだ。
AIに公共的なことをやらせて、徹底的に効率化しようとしている。
シンガポールみたいな小国だからできるんだろうなあ。
しかし、これが多分世界の未来となる。

 その後、番組は、AIの危険性に焦点が当てられていったが、それも大事だが、AIが社会構造を全く変えてしまうことが気になった。
究極的には、食べ物や製品の生産は、AIとロボットがやるようになるだろう。
ほとんどの職業が、AI化・ロボット化されてしまうと思う。
となると人は何をするのか?
AIのプログラミングと政治と子供を産むことと遊ぶことぐらいか。
大幅に職業が減ってしまうだろう。
政治がうまく機能してくれれば、「ベーシックインカム」的な制度が導入されて、食糧支給等の基本的なことが無料で提供されて、ほとんど働かなくてよい、言わばリタイヤ世界が築かれるのかもしれない。
まあ、自分が生きている間は、無理だろうが。

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