辺境探検家「高野秀行」が、毎日放送の「クレイジージャーニー」に登場してた。
先週の「アヘン王国潜入記」に続き、今週は「拉致国家ソマリア」である。
「アヘン王国潜入記」は、ミャンマーのけし栽培の村に入り込んで、村に溶け込んだ挙句、アヘンを吸ってしまう話である。というのが、彼の代表作「アヘン王国潜入記」を読んで今残っている記憶なのだが、TVでは、最初からアヘン栽培を体験しに村に潜入したと言っていた。
この村周辺は、ゲリラだらけだから超危険地帯なのだが、彼は飄々としゃべるから、現実感がない。それは、本から受ける印象と同じだ。
高野秀行は大げさにしゃべらない。
体験は盛りだくさんなんだけど、冷静にポイントをとらえたしゃべりで、とても良かった。
「拉致国家ソマリア」は、まだ本を読んでいない。
しかし、最初の何話かは、ネットで無料で読めたので、大体知ってる。
TVでも、うまく紹介できていた。
TVでは、抜粋だけで、ほんと盛りだくさんなんだけどねえ。
それに小さなエピソードの中に、彼のちょっとすっとぼけた味があって、いいんだけどなあ。
彼を初めて見る視聴者にもそれが伝わったかなあ。
伝わってたら、いいんだけど。
Tvの内容は、
ソマリアは実質3つの国に分かれている。
リアル北斗の拳状態の南部ソマリアと海賊国家の中部プントランド、平和な北部ソマリランド。
南部ソマリアでイスラム過激派に襲われて、九死に一生を得た話は、面白かった。
中部プントランドでの、海賊が残虐な犯罪ではなく商売として成立している。
人質は決して殺さないという彼らなりのルールがあるらしい。
その辺の事情は、現地に溶け込まないとわからないだろうという話だよ。
北部ソマリランドは、国家は機能してないけど、氏族社会が安全を保っているという話。
この辺の事情も面白かった。
犯罪とかあっても、加害者と被害者の氏族の長老どうしが話し合って、らくだのやりとりで清算、解決するという文化があるそうだ。
まあ、こういう話は本でじっくり読んでみたい所だ。
この「クレイジージャーニー」で、かなり「高野秀行」が知れ渡るんじゃないだろうか。
『謎の独立国家ソマリランド』は、2014年に第35回講談社ノンフィクション賞を受賞したし、探検作家としては第一人者として認知されてほしいもんだ。
彼の本はどれも面白いけど、オススメはこの3作かな。
『アヘン王国潜入記』:代表作
『ミャンマーの柳生一族』:笑える、しかし、あなどれない作品。
ミャンマー人は、日本人と同じくらい本好きで、識字率がとても高いそうである。
それを読んだ時、ミャンマーは絶対発展すると思った。
社会的にはいろいろ難しい問題を抱えているが、日本人と合うと思う。
『西南シルクロードは密林に消える』:感動作。タイトルが秀逸。