久しぶりに株以外の話を。
第56期王位戦七番勝負、羽生王位vs広瀬章人八段、羽生王位の3-1で迎えた第5局、先手広瀬八段で角換わり腰掛け銀の闘いへ。
おおざっぱに見ると、良く見る形に。
▲6四角で飛車に当てた所から素人的に面白くなってきた。
互いに玉頭近くに歩が迫ってきて、緊迫してきた所で、羽生王位の手番で1日目の定刻18時を迎えたのだが、そこから長考を続ける。
18時52分、ようやく羽生王位が封じ手を行う意思を示した。
52分もオーバー。 これは珍しい。
初めて見た。
渡辺棋王がブログで他棋士の棋戦に触れることは珍しいのだが、
「この長考によって羽生王位の残り時間は2時間台になっていますが、これは相当に珍しいです。局面を見ても分かるように既に終盤戦の入口のような場面なので、妥協が許されないということなんでしょう。」
と、書いていた。
2日目は、後手陣の玉頭で、先手飛車と後手馬の攻防になり、両者の交換となった。
広瀬が玉頭を強烈に攻め、左辺からも角と馬で攻めたて、優位になった。
しかし、攻めきれず、怪しくなってくる。
そして混戦になって、113手▲9六香と王の逃げ場所を作って、この場面を迎える。
もう残り時間があまりない、切迫した場面。
後手は△7九角と打ちたい角を欲しいのだが、その為に何と△5ニ銀ではなく△5ニ飛とした。
飛角交換に持ち込んで、角を手に入れた羽生王位が先手玉を見事寄せきった。
(ただ、△5ニ飛で▲5一の馬を▲8四馬と逃げれば良かったような気もするが)
封じ手前の長考、相手の鋭い攻めを少し凌いで、△5ニ飛からの鮮やかな寄せと、見ごたえのある対局だった。
それにしても、羽生名人は見せ場を作ってくれる。