木村一基王位に藤井聡太七段が挑戦する第61期王位戦七番勝負第2局が、北海道札幌で行われた。
今年の藤井七段の成績。
1 4月3日 ○ 千田翔太 第33期竜王戦 3組 ランキング戦 準決勝
2 4月10日 ○ 菅井竜也 第61期王位戦 白組 3回戦
3 6月2日 ○ 佐藤天彦 第91期棋聖戦 本戦 準決勝
4 6月4日 ○ 永瀬拓矢 第91期棋聖戦 本戦 決勝
5 6月8日 ○ 渡辺明 第91期棋聖戦 タイトル戦 第1局
6 6月10日 ● 大橋貴洸 第68期王座戦 二次予選 決勝
7 6月13日 ○ 阿部健治郎 第61期王位戦 白組 5回戦
8 6月20日 ○ 杉本昌隆 第33期竜王戦 3組 ランキング戦 決勝
9 6月23日 ○ 永瀬拓矢 第61期王位戦 挑戦者決定戦
10 6月25日 ○ 佐々木勇気 第79期順位戦 B級2組 1回戦
11 6月28日 ○ 渡辺明 第91期棋聖戦 タイトル戦 第2局
12 7月1日 ○ 木村一基 第61期王位戦 タイトル戦 第1局
13 7月6日 ○ 橋本崇載 第79期順位戦 B級2組 2回戦
14 7月9日 ● 渡辺明 第91期棋聖戦 タイトル戦 第3局
15 7月13日 ○ 木村一基 第61期王位戦 タイトル戦 第2局
16 7月16日 次戦 渡辺明 第91期棋聖戦 タイトル戦 第4局
棋聖戦挑戦者決定戦で永瀬2冠を破り、棋聖戦タイトル戦 第1局で渡辺3冠に勝って、強くなったなあと思っていた。
勝ち方が、序中盤は均衡を保ち、終盤抜けだすという強い内容。
大橋六段には、悪手を指して、珍しく逆転負けしたが、ご愛敬という感じで、そこからまた、王位戦挑戦者決定戦で再び永瀬2冠を破り、棋聖戦タイトル戦 第2局で渡辺3冠に完勝して、全棋士中で一歩抜け出したんじゃないかと思った。
その後も、王位戦 タイトル戦 第1局で、木村一基王位に完勝、橋本崇載8段は全く寄せ付けず、よっぽどじゃない限り負けないんじゃないかという雰囲気を醸し出した。
しかし、棋聖戦 タイトル戦 第3局で、渡辺3冠に負け。 危険な強気な手を指し続けて後、攻めを繋がれて、以降は完全に押し切られた。 やられたという感じ。
そして、昨日の王位戦 タイトル戦 第2局。
木村一基王位に中盤、いい手が出て、完全に木村王位が優勢になり、このまま完敗するなと見ていた。
ちょっと無理やり気味に逆転の勝負手を放つが、それにも対応されて、どんどん悪くしている。
なんか、嫌な流れを感じた。 劣勢になり、完全に押し切られる形の2連敗になれば、自分の手や戦い方にに迷いが出てきそうだ。 これは、次局の棋聖戦 タイトル戦 第4局も負けて、3連敗しそうな流れになってきたなと心配し出した。
しかし、詰まされそうな局面で、気持ち的には諦め気味にも、指す手は諦めずに、何とか凌ぎ続けていた。
詰め将棋の達人は、詰みを逃れるのも上手い。 そして、木村王位は受けの名手で、攻めはそうでもない。
AIは80%と優勢を示していたが、ちょっと緩手が出た所で、一気に今度は藤井7段が55%ぐらいになった。
こうなったら、藤井7段は逃さないだろうなと見ていたら、最善手を指さなければ逆転される状況が続く中、相手の攻めを凌ぎながら、逆に見事に相手玉を寄せ切った。
見事な逆転劇だったが、昔みたいに凄いと思わなくなったな。
相手がミスしたら、これくらい当たり前という感じだ。
内容が悪く、連敗していたら、引きずりそうな感じだっただけに、この勝ちはとても大きいと思うよ。
無敵感が出ていた藤井7段も負ける、勝てるという自信を皆が持つ所だった。
そして、流れが藤井7段にとって悪くなりそうだったのだ。
それが、この勝ちで取り戻したと思う。
次の7月16日の棋聖戦 タイトル戦 第4局は、渡辺3冠に勝って、タイトルを奪取すると思うよ。
天は藤井7段に味方した、と感じたな。