スタジオジブリのアニメーション監督の高畑勲さんが4月5日、肺がんのため逝去された。 享年82歳。
宮崎駿監督と並ぶアニメ監督で、宮崎駿監督が敬愛の気持ちとライバル意識とを持っていた人。
作品の経歴は、
64年 テレビアニメ「狼少年ケン 第14話」で初演出を担当。
68年の「太陽の王子・ホルスの冒険」で監督デビュー。
東映動画を退社後、テレビアニメ『アルプスの少女ハイジ』『母をたずねて三千里』『赤毛のアン』などヒット作も手がけた。
1985年、盟友・宮崎駿監督とともにスタジオジブリ設立に参加。
1988年に作家・野坂昭如氏の代表作「火垂るの墓」(1988)をアニメ映画化。
この他に「おもひでぽろぽろ」(1991)、「平成狸合戦ぽんぽこ」(1994)、「ホーホケキョとなりの山田くん」(1999)などを監督。
手描き風アニメーションや水墨画風の色彩表現を追求した「かぐや姫の物語」(2013)。
プロデューサーとしては宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」(1984)や「天空の城ラピュタ」(1986)などを手がけた。
自分の見たのは、『アルプスの少女ハイジ』『赤毛のアン』「おもひでぽろぽろ」「平成狸合戦ぽんぽこ」「かぐや姫の物語」かな。
世界一泣けるアニメ「火垂るの墓」は、まだ見ていない。 取っておいてあるという感じかな。
東大卒ということもあって、社会派意識が強く根底あるように思われる。
一番好きなのは、「おもひでぽろぽろ」。
自分の生き方に迷っていた田舎・農家好きの女性が、農家の嫁になるまでを、その迷っている最中に、自然に昔の少女時代の出来事を思い出してしまう様を描いたアニメ。
一昔前の昭和の戦後の少女時代の出来事がとても感性豊かに描かれていて、そこにとても魅かれる。
自分の時代より10年前くらいかなあ。 とても懐かしく感じた。
ひょっこりひょうたん島の話とか。 見たことないけど。
主題歌の「The Rose」を高畑勲が日本語に訳し、都はるみが歌った「愛は花、君はその種子」が、とても印象的だったなあ。
凄く作り込まれた作品で、名作なんじゃないかなあ。
「平成狸合戦ぽんぽこ」も、単純に面白くて好きだった。
多摩団地の自然破壊を面白おかしなアニメに交えてくる処が社会派たる由縁。
「かぐや姫の物語」は、唯一映画館で見た。
高畑監督の主張がとても強く出た作品だったけど、感情移入出来なかったなあ。
最後、来迎図みたいに、天人たちが雲に乗って、かぐや姫を迎えに来るんだけど、何だこれは?と思ってしまったよ。
その時点で自分の中では失敗作になってしまったけど。
罪深いところもあるけど、素晴らしいという人間賛歌なんだろうけど、そういう所は宮崎駿と同じなんだけど、なんだかなあ。
ただ、全編、手描き風アニメで描いていて、美しい作品だった。
CG全盛の時代への最後の抵抗という感じだった。
宮崎駿監督の最後の引退宣言の時に、道連れにされそうになって、イヤそうにしてたから、まだ作品を作るんだろうなと思っていたけど、亡くなられて、残念。 合掌。