1949年の中国建国以来、5年に一度開催されてきた政府主催の「全国美術展」。数万点の応募の中から部門毎に約600点が受賞、さらに厳選された受賞優秀作品が「現代中国の美術」として日本や韓国、欧米を巡回する。
本展は、昨年末第12回目を迎えた「全国美術展」から選抜された受賞優秀作品76点を紹介するものとのこと。
奈良県立美術館。
ノンフラッシュなら撮影ok。
これがブログで紹介するのには助かる。
★「大山の正月」
この作品が本展のベスト。
山の岩壁の前にせり出てくるような異様な迫力。
スーパーリアリズムでありながら、水墨画の伝統を感じさせる。
何か絵に骨格のような物がある。
岸壁の下で、村人たちが龍の舞で正月を祝っている。
水墨画の伝統、自然に溶け込む人達ではない。
描かれているのは、厳しい自然の片隅にぽつんと暮らす人たちだ。
★「新しい住まい 都会の思い出」
都会の一部屋を上から見た構図が面白い。
案外雑なタッチが効果的。
★「夕日と月に輝くタングラ」
一見派手で、俗な絵だが、面白い。
構図がいい、色もいい、牛の配置もいい。
★「日の出とともに働き 日の入りとともに休む」
描かれているのは、青空市場の雑踏。
ピーター・ブリューゲルの絵を思い出させる所がある。
細かい描き込みをしながらも、全体としての味わいもある。
なかなかの作品。
★「存在 No.36過ぎ去る」
古ぼけた機関車と羊が一匹。
存在感がある。
写真のようなスーパーリアリズムが中国でははやっているようで、目立った。
あまり好きではないが、いい絵もあった。
日本と西洋の絵ばかり見てるから、たまには趣の違う絵を見るのも面白い。
中国はやはりどこか違うものがある。