ボストン美術館 華麗なる ジャポニスム展  ~京都市美術館~

 京都市美術館に、ボストン美術館 華麗なる ジャポニスム展を見に行った。
西洋では、浮世絵や日本美術の大胆な構図と色使い、独特の装飾模様は西洋の美意識に根本的な変革をもたらし、ジャポニスムという現象が生まれた。
その日本美術に影響を受けた西洋絵画とその元となった浮世絵や日本美術の両者を比較展示した展覧会。

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正面に特に飾りつけはないのだが、
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サイドの垂れ幕が素晴らしい。

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★広重の「名所江戸百景・浅草田甫酉の町詣」。
猫が障子の外を見ている。
私の視線も外に誘われる。
冬枯れの草地が広がっている。 そして富士。

★渓斎英泉 「鯉の滝登り打掛の花魁」
毒々しいが、美しさがある。
この手の浮世絵は、よく見かける。
こういう毒々しさのある絵は、江戸以前にはなかったと思う。
その起源は、岩佐 又兵衛にあると思う。
戦国時代の残酷を身を持って経験した又兵衛は、それを絵で表現した。
真実には、美しさがある。
従って、一歩身を引くのだが、美しさも認めざろうえない。

★鳥橋斎 栄里 「近江八景 石山秋月」
遊女が文机にひじをもたれかけている。
赤の色調が美しい。
今回の浮世絵は、どれも摺りがよいのか、色彩が鮮やかで美しかった。
さすが、ボストン美術館と言えよう。
もし、全ての浮世絵を摺たてで見れたら、もっと浮世絵に感動するのかもしれない。
そう思った。

★モネ 「ラ・ジャポネーズ」
今回の目玉だが、目立つだけだ。
ただ、打掛の腰下の武者が前に飛び出てくるような立体感があって、さすがにうまいなと思った。

★ゴッホ 「ルーラン夫人」
有名な絵だが。

★ジョン・スローン 「春の花」
街路が雨に濡れている。
花屋が花いっぱいの馬車を曳いている。
なんてことはない風景だが、美しい。
気に入ってしまった。

★アンリ・マティス「花瓶の花」
極めて実験的な作品。
中央に花瓶を配し、それを中心に画面を区分けしている。
窓、テーブルクロス、壁紙、台と。
調和しているとは、言えないが。

★ムンク 「夏の夜の夢(声)」
海沿いの林の風景。
こんな寂しい所に、女性を立たせる。
ムンク独特の寂しさが漂う絵。

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★モネ 「積みわら(日没)」
積みわらが、茜色に燃えている。
美しいというより、凄まじい。

凄いというような展覧会でもなかったが、まあまあ良かったと思う。
構図の似た、浮世絵と西洋の油絵を並べて、浮世絵の影響を示そうとしていた点が、面白かった。しかし、そんなに気にもしなかった。
絵に惹かれるかどうかが肝心のことだから。

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