井上恭介著 「里海資本論」(角川新書)を読んだ。
評価:★★ 普通。
「里山資本主義」が良かったので、これも面白そうと読んでみたのだが。
里海とは?。 大自然の海ではなく、人の手が入った内海を「里海」と呼んでいる。
例として、広島の海は、牡蠣の養殖により浄化されていること、岡山の日生では、アマモの森を人の手によって、回復することで、豊かな生態系が戻ってきた話を挙げている。
しかも単なる自然保護ではなく、経済的に回るという話を書いている。
こういう話は面白いし、希望が持てる話だ。
しかし、センチメンタルな人情話がやたら多いのだ。
半分くらい余計な人情話だ。
とてもジャーナリストとは思えない。
人情話を書くくらいなら、もっと実例を増やすか、里海というテーマをもっと掘り下げるべきだろう。
せっかくの「里海」という面白いテーマを、センチメンタルな著者が台無しにした。
そういう本だった。
まあ、そうはいっても、テーマが面白いから、読んで損はない。