『思い出のマーニー』 米林宏昌監督 ~不思議な魅力~

 TVだけど、ジブリアニメの米林宏昌監督の『思い出のマーニー』を見た。
ミステリアスだった。
マーニーって何者だろう、という謎に引っ張られて、映画に引き込まれていった。
舞台は、北海道の田舎の海辺の村なのに、マーニーだけが金髪のかわいい女の子で、湿地の洋館が舞台でと、和に洋が混ざり込んでいる。
それがまたミステリアスさを増す。
マーニーは、主役の杏奈が病弱で、両親が亡くなって心を閉ざしていることが生み出した幻であることを映画がほのめかした所で、幼い頃の杏奈がマーニーそっくりの人形をしっかり抱いている場面を見て、なんだこの人形が少女になった今、幻影となって姿を現したのかと思ったら、話は急転直下、マーニーの正体が明らかにされる。
そして、エンディングで物悲しい曲が流れる。

 何とも不思議な魅力にあふれたアニメである。
何の知識もなかったので、ネットで調べてみた。
原作があって、イギリスの児童文学、原題はWhen Marnie Was There。
なるほど。
イギリスは幽霊とか好きだからね。
話は、原作に割と忠実に作ったようだ。
作りもいい。
前半は、細かなできごとを丁寧にたっぷり描いていく。
マーニーとの幻想の世界と和の日常の現実の世界が交互に描かれる。
それがまた不思議といい。
ミステリアスさが増していく進行もいいし、最後にたたみかけるように真実があかされるのもいい。
最後の明るい終わり方とかジブリスピリットに溢れていると思ったけどなあ。
エンディング曲がまた良かった。
プリシラ・アーン「Fine On The Outside」
孤独で物悲しい曲を聴きながら、エンドロール見てると、名作じゃないかという気にさせられる。

ジブリは、休業するっていう話みたいだけど、この監督にまかせたらいいじゃないかと思ってネットを見たら、米林監督は、ジブリを退社したみたいだね。
何かがあったんだろうな。
宮崎駿が何か出しゃばったんじゃないかな。
引退したのに往生際の悪い。
まあ徐々に腐っていく組織を長持ちさせてもしょうがないけど。
思い切って、新海誠を呼んで、自由に作らせてみたらいいのに。

 それにしても『思い出のマーニー』は、何やかやと書きたくなる不思議な作品だった。

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