玉村方久斗展  京都国立近代美術館   08/02/01

 心のふるさと展を京都市美術館で見た後、対面にある京都国立近代美術館で玉村方久斗展を見た。玉村方久斗という名は、全く知らなかった。パンフに載っている絵が、変に崩している感じがあるのだが、悪くないんじゃないかという感じもするので、見ることにした。万が一ハズレでも、心のふるさと展と合わせて満足できればいいかなということで。
うーん。まだまだ名も知らぬ面白い画家がいるのだなと思った。やっぱり、この人は、変に形を崩しているのだが、全体の構図やバランス感覚、色の配置などに絶妙のセンスを持っているのだ。たぶんこの画家は、普通に美しい絵を描きたくはないのだと思う。
 まず、風景四題「あけぼの」、青い連山が美しい。この画家が腕を持っていることがわかる。そして「雨月物語」の連作、少しグロテスクで残酷で夢幻的なモチーフを描いているのだが、絵としての美しさと心を惹きつける力がある。この展覧会の中で一番心血を注いで描いている絵のような気がした。「猫」もいい。なぜ猫の顔をこんなにマンガチックに描くのか理解できないが、後ろの枝葉の構図と色合いが素晴らしい。松の水墨の屏風があったが、全く正統派の絵で、うまいなあとこの画家の腕前を感じた。「漁獲図」にしても、海の青と白波が実に美しい。
 写真は、「漁獲図」。

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