モネ 「ヴァランジュヴィルの崖の漁師小屋」
ヴァン・ダイクの「メアリー王女」 ゴッホの「オーヴェールの家々」
ボストン美術館展を京都市美術館で見た(10/08/21)。かなり昔にも見たような記憶があるのだが。ボストン美術館展が、改修工事ということで、名品がやってきたということなのだが、それほどでもなかった。
まず、いきなりエル・グレコの絵、グレコとしては、普通の出来。II 宗教画の運命 へのコーナーは、特にいい絵はなかった。I 多彩なる肖像画 へのコーナー、ヴァン・ダイクの「メアリー王女」、これが良かった。王女の嫁入り写真にふさわしく、青いドレスに白いレースが精緻に描かれている。これは、腕のある画家ならの技で、珍しくもないのだが、下の方や、ドレス中央下部を灰色っぽく塗りつぶしている。そこに驚く。その方が全部を精緻に描くより、より際立つという計算であろうが、そこに感心する。しかも、王女の嫁入り写真でやってのけるとは。しかも、王女の顔は少し病的である。一番感心したのは、ドガの「男の肖像」である。今回のなみいるシックな肖像画の中でも、一番だと思う。派手さはないが、色の微妙な濃淡が素晴らしい。ロートレックの女性の肖像画も面白い。ロートレックは、本当にケンのある女性の顔しか描かない。一目見てロートレックとわかってしまう。あとは、モネであろう。本当に素晴らしい。しかし、モネの絵も大分見たから、驚きは少ない。