酒井抱一と江戸琳派の全貌展    姫路市立美術館

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   「夏秋草図屏風」 左隻          右隻

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  「槙に秋草図屏風」

 姫路市立美術館で生誕250年記念展 酒井抱一と江戸琳派の全貌展を見た(2011/09/24)。姫路市立美術館は、姫路城のそばにある。が、残念ながら姫路城は修復中で、覆いがかかっていて見られなかった。抱一は、姫路藩主の弟ということで、地元なのだが、江戸生まれの江戸育ちなので、あまり関係ない。吉原通いのぼんぼんの絵なんて、という先入観を持ちつつ、本展を見た。「青楓朱楓図屏風」、いい絵だ。特に右隻の緑の楓が美しい、と思っていたら、光琳に同じ構図の絵があるらしく、真似なのは残念。「波図屏風」、これが素晴らしい。複数の色線が重ね書きされ、デッサンのようで荒々しい印象を与える。「四季草花金銀泥下絵和歌巻」、これも素晴らしかった。宗達・光琳の和歌巻のように美しい。特に、花のつぼみの連なる様が、美しかった。しかし絵が多く、余白が少ないように感じた。そして、「夏秋草図屏風」。これは、本当に素晴らしい。右隻は、夏の夕立の後のススキと川の流れ、左隻は、強風に揺れる秋草とわずかに添えられた紅葉の草葉、情緒があり、気品がある。まさに抱一の一世一代の作と言える。光琳の「風神雷神図屏風」の裏に、描かれた絵ということで、光琳に対する尊敬の念がこれほどの絵を描かせたのだろう。残念ながら三期展示ということで、「槙に秋草図屏風」と「風神雷神図屏風」は、見られなかった。

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