千葉県出土の人頭形土製品 岩手県大原出土の遮光器型土製仮面
MASK -仮面の考古学-を大阪府立弥生文化博物館で見た(10/09/04)。縄文の仮面が見れるということで、面白そうだなと。08年に兵庫陶芸美術館で見た「縄文―いにしえの造形と意匠展」展が面白かったので、今回も期待したのだが。
縄文の仮面は、残念ながら完品が少ない。どうも祭祀等で使用した後、壊していたらしい。従って、完品がみれないという欲求不満が残る。本展は、08年の意欲的な「縄文」展に比べれば、圧倒的に品数がすくなく、物足りない。日本人の原点である縄文人がどういう心象風景を持っていたのか、興味があるので、それを感じられればと思っているのだが。
千葉県出土の人頭形土製品は、印象に残る。お墓に埋められていたので、デスマスクと推定されている。一見下手なのだが、巧まざるうまさがあって、なんとも言えない死者の顔という雰囲気を醸し出している。もう一点良かったのが、岩手県大原出土の遮光器型土製仮面である。これは、素晴らしい。これは、08年の意欲的な「縄文」展でも展示されていて、一番惹かれた土器であった。「縄文」展で見た時は、その静謐な印象からデスマスクだと直感したが、今回はそういう強烈な印象を受けなかった。一度見たことがあったからかもしれない。初見は大事であり、感覚が研ぎ澄まされることもそうないのかもしれない。