「少女」 「友禅の少女」
「朱唇」 富士出現
京都駅ビル内 JR京都伊勢丹7階にある美術館に「菊池 契月」展を見に行った(10/01/04)。
菊池契月の生誕130年記念ということらしい。菊池契月は、京都市美術館が有する「少女」が気になったので、見てみようかと思った。
初期の歴史画は、挿絵のようで、気に入らない。「姜詩妻図」で、端正な女性像が見られた。そして、「少女」、女性が少し膝を抱えて座っている。着物も背景もベージュで、柄も地味で端正な絵である。しかし、これは少女というには、色気がある。これは、絵の魅力もあるが、モデルの魅力の方が強いかもしれない。隣に「友禅の少女」、これは、明らかに青い着物の美しさを描いた絵である。「朱唇」、地味な着物であるが、上品で美しい。そして、「光明皇后」、この衣装は、絶品である。濃い紅の袖、薄い朱の羽織、白にほんのり赤い模様の下袴、そして口の紅、見事な紅のグラディエーションである。この後に歴史上の人物画が並んでいた。どれもうまいが、あまりに手なれた感じで気にくわない。そして、最後に、富士山の絵、日本画の富士山は、どうしてこうも迫力がなくて薄味でつまらないのであろうと、見ていたら段々良くなってきた。広い麓の茫漠感がいい。
菊池契月は、女性像の画家といえよう。特に上品で洗練された着物が美しい。