酒井抱一の「白蓮図」
浮田一恵の「やすらい祭牛祭図屏風」
「男女遊楽図屏風」
日本の美と出会う展(細見美術館開館10周年記念展-琳派・若冲・数寄の心-)を見に高島屋大阪店に行った(09/02/28)。細見美術館は、平安神宮のそばにあるのだが、一回見に行ったことがある。こじんまりして、ちょっとおしゃれなビルの中にあるという感じなのだが、たった10年しか経っていないとは、少し驚きである。
まず琳派の絵が並んでいる。イマイチな絵が多かったが、鈴木其一の「雪中竹梅小禽図」と酒井抱一の「白蓮図」は、良かった。伊藤若冲の絵を多く持っているのには驚いた。さすがである。有名な「糸瓜群虫図」もあった。池大雅の「児島湾真景図」も良かったが、その隣の青木木米の「富士望見図」もかなり良かった。ちょっと下手だが、自由な息吹が感じられる。陶工なのに、こんないい絵が描けるなんて。室町の僧、仲安真康の「虎渓三笑図」、室町くらいの古い水墨画となると独特の味が出てきて、本当に凄いのか、古色蒼然たる美しさなのか判断が難しい。浮田一恵の「やすらい祭牛祭図屏風」、なかなかいい。知らない画家であるが、こういう画家の作品も自分の眼で選んで買っているというのがさすがと思う。さて、本展で一番良かったのが、「男女遊楽図屏風」、国宝「彦根屏風」の類似品みたいなことを解説で書かれていたが、どうだろう。かなりいい。相当の腕前の絵師が描いたと思う。写真では、おしゃれなデザインの着物が美しく、風俗が活写されている。男が武士らしくなく、なよっとしているのが、面白い。しかし、写真にはない左の部分が素晴らしい。左下の少し前かがみになって、三味線を弾いている女性の後姿が美しい。また後ろに置いてある屏風の山水画がまた素晴らしい。
それにしても、個人の蒐集でありながら、これだけ広範囲に渡って、いい美術品を集めたのは、すごいと思う。しかも今回はその一部にすぎない。