2020年のJ1の最終順位を分析する。

 2020年シーズンのJ1が終了した。
コロナ禍の中で無事シーズンを完遂させたJリーグの運営者を賞賛したいね。

さて、2020年の順位を分析しよう。
いつものように、偏差値で。

J1順位分析表(クリック拡大)


順位と勝ち点。

如何に川崎が圧倒的な力で優勝したかわかるね。 2位のガンバと勝ち点18差だからね。 6試合分だ。
下位3チーム、清水・仙台・湘南は、少し差が開いての下位だ。


得失点の偏差値の2乗平均と勝ち点の偏差値の関係

得失点の偏差値の2乗平均は、ある意味実力を示していると思っている。
上位9チームまでが、平均以上の力がある。
2位のガンバが、9チームの中で最低なのが、実力以上の順位だということを示していて、逆に言えば接戦を物にしてきて、勝負強かったとも言える。


得点と失点それぞれの偏差値と勝ち点の偏差値の関係

攻撃と守備で分けてみると、傾向がわかりやすい。
2~4位の、ガンバ・名古屋・セレッソは、攻撃は平均レベルだけど、守備力が高い。
一方、攻撃力の強かった柏・横浜FMは、順位が低い。
守備力が強いチームが、より上位に来ている。
攻撃力が強いチーム、川崎と横浜FMの優勝が続いているので、攻撃力のあるチームが上位に来るのかと思えば、そうでもなくて、守備力の強いチームが上位に来る傾向が強い。 ただ、優勝となると別で、攻撃力が必要なのかな。


2019年の得点と失点それぞれの偏差値と勝ち点の偏差値の関係

2019年も守備力の強いチームが上位に来ていた。

さて、個別のチームについて。

1位:川崎フロンターレ
実力は抜けていたのは確かだけど、成績は実力以上に出たと思う。
今年は、降格無しだったので、どのチームも攻撃的に来た。自分たちのスタイルのサッカーをしようとした。
1試合の平均得点が、1.42。 1019年は、1.30だからね。 総得点が797から866と、69点も大幅に増えた。
昨年引き分けが多かったのが、川崎の不振の原因だっただけに、守りに入らずに攻めに来られたら、そりゃあ川崎に勝てないよ。

2位:ガンバ大阪
ガンバは、ファンから見ていても、試合の主導権を相手に握られることが多くて、よく勝てたなという試合が多かった。
負けた相手は、決定機を決められなかったのが敗因と思っているようだけど、それは全てGK東口が防いだからだ。 普通の決定機は、東口にとってはセーブ出来て普通だ。 超決定機が、東口にとっては決定機で、それさえスーパーセーブで防ぐことがあった。 古橋のシュート2つとかファンアラーノのシュートとか。
勿論、皆の頑張りがあっての2位だけど、際立っていたのは、GK東口の守備だね。 オルンガみたいな存在だよ。
スーパーなFWがいれば、勝てるように、スーパーなGKがいても、勝てる。
GKがこれほど重要な存在とは、と初めて認識した。 今までもGKのファインセーブを見てきたけど、よくやったと思うけど、今回はたまたまだなとも思っていた。 しかし、毎回のように止めるのを見て、たまたまではない実力なんだなと認識させられたよ。

3位:名古屋グランパス
ボランチに2枚とも守備的ボランチ、稲垣・米本を置いていることが、このチームの在り方・守備重視を表している。 シミッチを使わない分攻撃力が落ちたけど、それでも、マテウスがスーパーな活躍をしたので、やっとこさ点が取れた。
JリーグNo.1の守備力が、3位の原動力だね。

4位:セレッソ大阪
バランスの取れたチームだと思う。 
柿谷をあまり使わないとか、西川潤を試さないとか、その辺りに守備重視が伺えるが。 そういうことが、ロティーナ監督解任の原因になったのだろうなと推察する。
シーズン終盤の失速は、ロティーナ監督解任のリーク報道が少なからず影響したのでは?

5位:鹿島アントラーズ
ザーゴ新監督を中心に、思い切ったチームの変革に取り組み、最初の躓きはあったものの、コロナでの中断で練習期間が取れたことで、立て直しが出来て、復活した。 より攻撃的なチームに変革出来た。
シーズン最後には、川崎に次いで強いチームになっていたと思う。
GK沖 悠哉を起用して成長させ、FW上田 綺世も成長させ(上田は自らの力だと思うが)たザーゴ監督の手腕は、大したものだな。
コロナの中断がなければ、不振が長引き、監督解任まであったかもしれないが、運もあったな。
思い切ったチームの変革で、最低1年は苦しむと思ったけど、1年で改革を成功させたのは、さすが鹿島としか言いようがないね。
ACL出場権を取れなかったのが、残念。 最後、上田がヘディングゴールを決めていればな。 
来期ACL出場で、力が削がれて欲しかったよ。

6位:FC東京
レアンドロ・アダイウトンの加入で課題だった攻撃力を改善して、どうなるか?と思いきや、橋本拳人と室屋が海外移籍して、チームが混沌としたな。 若手起用でチームは底上げしたんだろうが。

7位:柏レイソル
オルンガが圧倒的。 最後の川崎戦の谷口に競り勝って、GKを交わしてシュートを決めたのなんて、凄かった。 ジェジェウにも当たり勝っていたのに驚愕した。 あのがっちりしたジェジェウだよ。
ガンバ戦のゴールとか見ても、速い・強い・高いだけじゃなくて、巧さもあるんだよな。
日本人DFの対フィジカルのいい経験と練習になるよ。 アフリカ人の移籍がもっとあっていい。 世界で戦うためにも。
守備も結構固い。 失点数は平均レベルだけど。 コロナ感染したのが痛かったかな、監督のせいだと思っているけど。

8位:サンフレッチェ広島
ガンバ戦を見る限り、対人の厳しさをベースに攻守にいいチームだなと思った。 ボール保持率を高め、攻撃力を強めるのに成功したと思う。 結果は8位だけど。 何か、突出した物がないとダメなのかも。

9位:横浜F・マリノス
攻撃力はリーグ2位で凄いけど、守備力が降格レベルと酷かったな。
一昨年に戻った。 チアゴ・マルチンスがそのスピードで1人でハイラインを支えていたけど、怪我と不調でダメになったな。 個人1人で支えている守備は脆い。
あと、独特の戦い方に他チームが慣れてきたのも大きいかな。 ACLで通用しなかったのには驚いたけど。情けない。

2~9位までは、あまり差はなかったと思うよ。
ちょっとした差はあったけどね。 来年ひっくり返る差かもしれないけど、差は差だった。

下位について。
浦和レッズの不振は予想外だった。 4バックへの変更がうまくいかなかったな、3バック時代が長過ぎたために。 3人のCBで守ることに慣れ過ぎて、2人のCBで守れなかった。
大分は、あの選手層の薄さとレベルの低さでよく頑張ったよ。 片野坂監督の手腕は凄い。
鳥栖も、戦力低下にもかかわらず、若手を鍛えて、攻撃出来るチームに変革した。
金明輝監督の手腕だな。 もっとも、マスクをせずに指揮して、コロナ感染を監督自ら広めるという監督という管理職にあるまじき大失態をしているが。
札幌は、鈴木武蔵の移籍が痛かった。 層の薄いチームだと、エースが抜けると致命的だよな。

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