日銀が21日開いた会合で決まった金融政策は、
長短金利を誘導目標とする新しい金融緩和の枠組み「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き量的・質的金融緩和」を導入するということ。
[1]現状のマイナス金利政策を維持するとともに、10年物国債利回りを0%程度に誘導する。
[2]2%の物価安定目標が実現するまで金融緩和を続け、マイナス金利の深掘りなどを軸にする。
1月末にマイナス金利を導入して、借り手の金利が下がって一定の効果はあったけれど、銀行にとっては金利による利益が少なくなって、苦情が出ていた。
特に問題だったのが、短期金利と長期金利の差イールド・スプレッドが小さくなったことだった。
銀行は、短期金利で金を調達して、長期金利で貸して、その利ザヤで儲けている。
だから、イールド・スプレッドが小さくなることは、死活問題。
日銀は、今回イールド・スプレッドが適正な値になるように、短期金利と長期金利を調整しながら、長期金利というか10年物国債利回りを0%程度に誘導しますよということ。
銀行に一定の配慮をしながらも、金利全体は下がるという。
そんなうまくできるのかどうか知らないが、しますよということ。
あと、いつ金融緩和をやめるのか、という不安が市場にあったけど、2%の物価安定目標が実現するまで続けると宣言して、市場の不安を取り除いた。
こう見ると、見かけは派手ではないけど、以前の政策をちゃんと見直して、市場の反応から見えてきた問題点にきちんと対応しているように思われる。
マスコミはあれこれケチをつけているけど、素晴らしいように思われる。
景気は回復していないように思われてるけど、円安で日本の企業を立ち直させた。
日本が儲かると、円高になるのは当然なので、それは金融政策ではどうしようもない。
やるだけのことはやって、成果を出した。
景気が良くならないのは、マスコミが不安を煽って、国民心理を冷やしているから、消費が増えなくて、景気が浮上しないのだと思う。