輸血は、手術医療に不可欠なものである。
血液は、赤血球、白血球や血小板といった細胞成分と血漿成分からできている。
現在は、採血した全血献血は遠心分離して、赤血球、血漿、血小板の3種類の成分である「赤血球液製剤」、「濃厚血小板製剤」、「新鮮凍結血漿」に分けられているそうだ。
だから、それぞれを単独で作れればよい。
中でも、血小板は傷口をふさぐ役割を担っている。
さて、その血小板を大量生産する技術が開発されたそうだ。
その中身が興味深かったので、紹介したい。
血小板は、大きさ2ミクロンととても小さく、血液1㏄中に1.5~4億個もある。
輸血に必要な量は、1千億個以上で、とにかく大量に生産する必要がある。
まず、ヒトiPS細胞から直接血小板を作ることに成功。 しかし、大量に作ることが出来なかった。
血小板は「巨核球」という 血液細胞の「細胞質」の部分がちぎれてできる。
だから、次に巨核球をヒトiPS細胞から作ることに成功。
元となる巨核球を作っても、培養液1cc当たり200万~400万個の血小板を作製できるようになったが、その培養液を10L作っても、大量の血小板を作製することはできなかった。
そこで、実際に生きたマウスの血流の動きをコマ送りで測定すると、血流に乗って巨核球の一部がちぎれて血小板が生成されていて、しかも
乱流が強い領域において血小板が生成されていることが分かった。
8Lの装置で巨核球細胞株を培養し、約1000億個もの血小板を産生することに成功したそうだ。
これは、手術で使えるレベル。
京都大学iPS細胞研究所の江藤浩之教授らが開発した。
http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/news/180713-090000.html
何か、辛抱強くやって、最後地道な観察が活きたところが、面白かったので。
そして、iPS細胞も色々な場面で役立ちそうだな。