羽生善治竜王が、広瀬章人八段を挑戦者に迎えた竜王戦七番勝負、フルセットで迎えた第7局、広瀬八段に敗れた。
通算タイトル数99期、タイトル100期目前で、失冠してしまった。
今年は、名人戦挑戦、棋聖防衛、竜王防衛と3度のチャンスがあったのだが、全て敗れて、タイトル100期獲得を逃してしまった。
羽生ファンとしては、タイトル100期獲得が残った最後の金字塔だったんだけどなあ。
昨年の永世7冠達成、今年の「国民栄誉賞」「紫綬褒章」受賞と立て続けに栄誉を得た。
さすがに、栄誉が続くことを天に許されなかったかな。
受賞疲れとかもあるだろうし。
羽生竜王は1989年に竜王位で初タイトル。翌年に失ったものの、その4カ月後に棋王位を獲得してから今日まで、27年に渡り1つ以上のタイトルを保持していた。 それも敗れて、27年ぶりの無冠になる。
これからは、羽生9段になるのかなあ。 悲しすぎる。
まあ、しかし、羽生さんもタイトル100期目指して、また気合を入れ直して頑張るだろう。
まだまだ面白い将棋を見せてくれるんじゃないかな。
ファンとしては、その期間が延びたということかな。
通算勝ち星は、1419勝。 で歴代一位は大山康晴永世名人1433勝。
この記録は、来年には更新してくれるかな。
これと、タイトル100期で、ファンとしては思い残すことはないんだが。
今回の竜王戦、羽生竜王が積極的に攻めたり、工夫の手を見せて、序中盤は7戦ほとんどでリードしていた。
羽生竜王としては、珍しいパターンだった。 今までは、序盤リードされて逆転勝ちが多かったから。
今年は対局数も減り、講演も断っているらしいから、研究時間が増えたのが原因と推測している。
しかし、広瀬八段は、今年絶好調なのと終盤の強さを発揮して、羽生竜王が逆転されることが多かったなあ。
終盤が鬼のように強い羽生さんも衰えたと感じざろう得なかったよ。
最終盤は、まだ藤井聡太7段に次ぐ、棋界2位の実力だと思うんだけどなあ。
決定的な敗因は、広瀬八段に消費時間でほとんど差をつけられたことだろう。
広瀬八段は、いつもより決断良くあまり考えすぎずにどんどん指していたように思う。
時間攻めだね。 その姿勢は一貫していた。
特に第7局、勝ちになった最終盤でも気を緩めず時間を使わずに指していて、そこにこだわっていたように見えた。
菅井竜也7段を筆頭に、最近若手にやられて負けるパターンだね。
まあ、しかしあまり悲観はしていない。
時間攻めには、今後対策を立てて、対応できると思うよ。
お互い1分将棋なら、羽生さんの方が強いと思う。
今週の月曜日に佐藤康光9段とのA級順位戦があった。
康光9段の驚異的な粘りで1分将棋に、1手も気を抜けないとても緊迫した戦いだったが、最後羽生竜王が見事に詰みを読み切った。 深夜1時になっていたよ。 見る方も気が抜けない凄い将棋だった。
あの将棋を見て、まだまだ強いと気を強くしたんだが。
火曜はぐったりして、水曜移動、木金曜この竜王戦と、疲れが取れないスケジュールだったかもね。
ということで、さほど悲観していない。
今、A級順位戦は1敗で、無敗の豊島将之二冠を追っている。 直接対決もまだ残っているし。
来年の名人戦にまた挑戦している可能性も結構あるんじゃないかな。
そして、名人戦で通算100期を達成していることも。
そこに期待しよう。