第65期王将戦挑決リーグ、久保利明九段と羽生善治名人が5勝1敗で並んだので、両者のプレーオフとなった。
先手久保九段が中飛車から穴熊へ、羽生名人は居飛車で銀冠に(棋譜)。
これが見たことのない面白い戦いとなった。
羽生名人がこんなの成立するのかな、という端攻め。
とにかく、相手の攻めをあまり受けず、手抜きしてどんどん攻める。
2枚の銀を端と中央に繰り出す。
そして、端にどんどん駒を投入して、相手の穴熊の駒を1枚ずつ、はがしていく。
勿論、その間羽生陣もどんどん駒をはがされていく。
肉を切らして骨を断つ闘い。
最後94手目、△3五角から25手詰めで、久保玉を鮮やかに仕留めた。
特に一歩も動かしていなかった飛車を詰めの途中で使って、捨てて、歩を含めた持ち駒をすべて使い切って、ぎりぎり丁度の詰め。
鮮やかすぎる。
久保九段が93手目から、羽生名人は98手目から1分将棋だそうだから、羽生名人は秒読みになる直前には、詰みを読み切っていったんだろうなあ。
最初の攻めの構築に、大駒を全然使っていない。
94手目△3五角打ちも相手の攻め駒を取った奴だからねえ。
それが92手目。
この角が詰みの主役になったから、そこからの詰みの読み切りとなると、秒読み手前の時間のなさ。
凄すぎる。
(リンクのブログの一番下で棋譜が見れます。)
これで、郷田王将との5冠をかけた、7番勝負。
羽生名人は郷田王将に50勝24敗と大きく勝ち越しているから、勝ちそうだけど、郷田王将もここんとこ好調というか実力を発揮しているから、面白い戦いが見れそう。
現在、タイトルは羽生4冠、渡辺2冠、郷田王将という状況。
もし羽生5冠となれば、7冠も視野に入ってくる。
渡辺竜王は、しぶとく2冠になったけど、以前の強さは無くなったように思う。
羽生名人が、再び驚異の7冠独占ということもあるかも知れない。
まあ、羽生名人にその気はないだろうが。