人が3種類の色を感じる理由が面白い。

 人は、3色の色覚を備えている。

こんな感じで、3色の波長を吸収する視細胞、SLMの錐体を持っているので、青・緑・赤の色を感じることが出来る。

 さて、生物は、魚類・両生類・鳥類・爬虫類の多くは、4色の色覚を備えているそうだ。
3色以外に紫外線も感じることができる。
彼らは、人よりもっと多様な色の世界の中で生きているんだな。

 爬虫類と共通の祖先から進化した哺乳類は、はじめはこの4色型色覚をもっていたが、恐竜が跋扈した中生代に、危険な昼間を避け夜間に活動したため、4種類あった錐体細胞のうち2種類が失われ紫外線を吸収できなくなり、2色型色覚となった。
イヌ、ネコ、ウシ、ウマなどの多くの哺乳類は、2色しか色覚を持っていないそうだ。 青錐体と赤錐体。 緑がない。

 ところが、ヒトを含む旧世界の霊長類の祖先は、約3,000万年前、遺伝子の変異で3色型色覚を有するようになり、その子孫が広まった。
その子孫が広まるということは、生きる上で有利なことがあったから。
それは、緑の中の赤い果実を見つけるのに有利であったと、これまでは考えられていた。

 しかし、最近新説が表れた。
他個体の顔色を見るためだと。
その証拠が面白い。 いくつかあるそうだけど、その一つ。
様々な種類の霊長類の顔写真を並べると、
1色型、2色型、3色型になるにつれて、顔を覆う毛が減り、顔の肌が露出している傾向があると。
これは、面白い。 なかなか納得いく理由だと思う。
人の顔色を読める人が、生存確率が高かったのだ。
より社会生活に適応している人の方が、生存確率が高い。
言語が生まれていなかった頃には、この3色型色覚で顔色を認識できるということが、強みになったんだな。

 また、色盲について、認識を改めた。
色盲は、遺伝子の変異じゃないんだな。 むしろ普通の人の方が遺伝子変異の子孫で、色盲の人は遺伝子の変異しなかった人の生き残りだということ。

 この話を雑誌で読んで、とても面白かったので、ここに書いておこう。

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