ネットで「エベレスト史上最悪の雪崩事故を察知したシェルパ 」という記事を読んだ。
今年の話。
ニマ・チリンというネパール人シェルパが、エベレストのベースキャンプから隊員たちに先行して、夜明け前からエベレストに向かっていた。
多くのシェルパたちで、混雑していた。
アイスフォールを登りきった時、彼の「耳が泣いた」。
ネパールでは危険が迫った際に、甲高い音が聞こえることがあるという。
「耳泣き(カン・ルヌ)」と呼ばれる耳鳴り現象だ。
この音が聞こえたら、ただ事ではないことは、エベレストでの過去の経験から心得ていた。
彼は、意を決して、山を急いで下りる。
その後、巨大な氷塊が、エベレスト西肩の氷河から突然崩落した。
雪崩の通り道に20人以上、そのすぐ上下にはさらに多くのシェルパがいた。
必死に戻ってきた、ニマ・チリンも雪まみれにはなったが、彼は助かった。
「耳が泣いた」というのは、日本で言う「虫が知らせる」という奴であろう。
ここで、自分もそういう経験を書きたいところだが、思いつかない。
ただ、山で何度か道に迷いそうになったが、深入りしそうな所で、何かおかしいと気付く。
山で一人で歩いていると、そういう感性が磨かれるような気がしている。
リタイアしたのも、その感性が働いたのかな。